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『きみの色』を映画館でみて

こんばんは。やまりえるです。
今日はショッピングセンターへ買い物に行ったのですが、ふらっと映画館にも足を運び、ずっと気になっていた映画をみてきました。
山田尚子監督の『きみの色』という作品です。
美しくて儚い青春を描いた作品で、とても感動しました。この作品と自分を重ねて、今回は感想を書いてみようと思います。

私は今、大学へ通っています。卒業論文を執筆し、卒業に向けて頑張っているところです。
卒業後の進路については、大学院進学と就職の道のどちらに進むか悩んでいます。私が学ぶ学部では、資格取得のために大学院へ進学する生徒と就職する生徒のどちらかに分かれることが多いのです。
私は卒業後の進路について考えていて、自分が抱える大きな課題に気が付きました。これはきっと人生で何個あるかわからないくらいの大きな課題です。
それは「自立」。私は20代後半にもなって、まだ自分の人生を人に頼って生きているんだなと痛感したのです。

今までどんな時にも、両親は私のことを一番に考えてくれました。
幼少期に身体が弱かったこと、小・中学校でいじめられていたこと、高校で努力しても実りのない時期が続いたこと、大学でうつ病になり何もできなくなったことなど、こんな不安定な私を、両親は理解して支えようとしてくれました。両親のおかげで、私はここまで生きてこられたと思います。
これだけ親に心配をかけているのだから、はやく親を安心させてあげたい。そんな気持ちがずっと心にありました。だから、今までずっと親に心配をかけない道を進もうとしてきました。
ずっと大好きだった音楽を仕事にしてみたかったけれど、経済的に苦しい道を進めば、親を心配させる。何度かオーディションを受けたけれど、最終審査へと進んでいくのが怖くて、途中で辞退し、人に迷惑をかけてしまうこともありました。親に反対されたことはみんな辞めてきた。どれだけ熱い思いが胸の内にあっても、必死に殺してきた。自分にはそれで食べていけるだけの才能はない。親に心配をかけるなって。そう思って生きてきました。

大学の卒業後の進路について、両親は大学院への進学を望んでいます。資格を取得したほうが、将来私の助けになるだろうと教えてくれます。
でも今まで必死に、大学の授業で学んで、実習で体験してみて、感じたこと。たぶん、この道に進んでも私は楽しいと思えないな。この資格を生かした仕事に就いたとしたら、苦しいんだろうな。私には向いていない気がする。
すでに私は一度、違う学部を卒業しています。今は二度目の大学生をさせてもらっている身です。両親が支えてくれなければ、こんな贅沢はできなかった。「その仕事に向いているかどうかは大学院で学びながら考えたらいい。まだ学部生なんて、その学問の一部だって学べていない。向いているかどうかなんて、まだわかるはずがない」。そうやって親にも先生にも言われてきました。大人たちがみんなそう言うんだ、もしかすると私が早とちりをしているのかもしれない。「もっと努力しないとだめなんだ。私が間違っているんだ」。そう思ってきました。でも頑張るほど、上手くいかない。身体も心もついていかない。

先週、どうしてこんなに苦しいのかと考えて、やっと気付きました。ああ、私、自立できていないんだ。自分で決断して、自分で責任を持って人生を生きていないんだと思いました。
今年度の大学院試験の日程が迫るなか、親には「ちゃんと頑張っているよ」と伝えている自分、でも実際には何もしていない自分がいます。ふたつの自分が共存しているようで、分離していて、今もすごく苦しい時間を過ごしています。でも、いい加減、こんなこと辞めないと。私が自分として生きていくためにも、親にも自分にも嘘をついてちゃ、だめだよな。
今は、いつ親にこう切り出すか悩んでいます。「私は自分の人生を進みたいです。ふたりが私のために選んでくれた道には進めません」って。

そんなタイミングで、『きみの色』を観ました。(前置きが長くなってしまい、すみません)。
まだ映画を観られていない方もいらっしゃると思うので、詳しい物語の説明は避けます。でも主人公たちを見ていて、今の自分に重なる部分がたくさんありました。私って20代後半だけど、実はまだ高校生と同じ葛藤を持っているんだなと思いました。
きっと、これは私が大人に一歩近づくための大切な葛藤なんだ。これを乗り越えた先に、ほんのちょっぴりでも笑顔が待っているといいなと思います。
ちなみに映画を観ていて、私は何度も泣きました。今の自分にぴったりの映画だったこともあって、涙が止まりませんでした。ハンカチを用意しておくべきだったと、後々から後悔しました。

私のようにまだ大人でない人も、もうすでに大人の一歩を踏み出している人も。すべての人が大人になった日を思い描く作品だと思います。
ぜひ、映画館へ足を運んでみてください。『きみの色』おすすめです。

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