このためだけに発注されたパーツ
名古屋発祥の珈琲店、「コメダ珈琲」。
ありがたいことに当地域にもご出店頂き、おかげさまで数か月に1回はコメダライフを堪能させて頂いている。
今日は午後から半休を取り、思い立ってコメダへやってきた。思い付きの行動、ここ数日これにはまっている。計画的に塗り固められた仕事生活の中に、こういった場当たり的な休息と出たとこ勝負のエンタメをぶち込むことは、とても重要だし必要だし、なにより楽しい。
コメダの店内。マダム率が高い。賑わっているにもかかわらず、落ち着く。それはこの木を基調とした設備のおかげでもあるだろうと思う。
各テーブルに設置の、日本中どこにでもある「店員さん呼び出しボタン」、
そしてその「「店員さん呼び出しボタン」を置く台」。
…お気付きだろうか?
もう一度スローでよく見てほしい。
「「店員さん呼び出しボタン」を置く台」が、「店員さん呼び出しボタン」の形状に合わせて曲線に作られているのだ。
僕は戦慄を覚えるとともに感動した。
「店員さん呼び出しボタン」はここにしか置けない。
横にはストローの入れ物やつまようじ、卓上塩、裏にはメニュー表スタンド。それらは移動しようと思えば移動できる。チェーン店ならではのレイアウトのマニュアル的統一はあるだろうが、客がちょっと動かしさえすれば簡単にテーブル上の秩序は乱れる。
しかし「「店員さん呼び出しボタン」はそこに置く」、そうマニュアルで規定されていることが、店員にだけでなく客にもはっきりと分かるように示されている。そこに置くことを規定されたデザイン。環境を先に規定することでそこに置くべきものとそこに置くという行動が誘導され、規定されている。それだけでもすごいことだが、さらに、全国チェーン店がしっかりとそういった設備を統一していることに、なお一層感動する。ソフト(メニューとか)の統一ならまだしも、ハードの統一にはそれなりの投資が必要だろうと素人でも想像できる。
「店員さん呼び出しボタン」を置くためだけに、「「店員さん呼び出しボタン」を置く台」をあそこだけ曲線に切って作らないといけない。しかも全店。
全店やってるのかな…?
それはわからない。
でもなー、なんかこだわりがすごいと思うな。
「そう思わへん?」
「べつに」
一緒に連れてきた次女は、
沢尻エリカさんのように「べつに」と言って、
ぼる塾田辺さんのようにおいしそうにミニシロノワールをたいらげた。