見出し画像

カラオケの電話

カラオケで「お時間10分前です」の電話がかかってきた。曲の音量に同僚が歌う歌声の音量が上乗せされ、受話器の向こうの声が聞こえない。

多分「お時間10分前です」で間違いないのだろうが、全く聞こえない。全く聞こえないので、可能性としては「お時間5分前です」も考えられるが、5分前にリマインダーするのは店側のサービスとしてどうなのかと思う。5分前だともう1曲歌う余剰がほぼないし、遊びに来ている客の気持ちを業務的都合で削ぐのは違うと思う。

したがって、多くのお店では「お時間10分前です」がスタンダードではないかと思う。

ただ、「お時間10分前です」以上の尺の言葉を何か喋っていたような気がするが、それもやはり全く聞こえない。「お時間10分前ですが、延長はどうなさいますか?」が恐らく相場で、まあ99%それで間違いないんだろうが、全く聞こえないので、「お時間10分前ですが、延長はどうなさ」ぐらいのタイミングで遮るように「延長はしません」と言ってしまった恐れがある。

(はいはいカラオケの終わり際の電話の文言はもう分かってるから皆まで言わなくてもいいよ)なんて気持ちで遮ったつもりは全くない。何を言うかをいくら知ってるからといって相手の言葉を遮って意見を言うのは、最悪のディスコミュニケーションだ。

店員さんには申し訳ないが、店員さんからすればそんなシチュエーションには慣れっこだから、客はもはやまともにコミュニケーションしてくる生き物ではないとレッテルを貼り、自身のメンタルを最大限に防御する対策を取ってすらいるかもしれない。


あと、ドリンクを電話で注文する時も向こうの声は全く聞こえない。しっかりオーダーが通るよう、普段しないようなハキハキとした発声で受話器に話しかけるが、店員さんの復唱もまともに聞こえないので、ちゃんと伝わったか、実際に部屋に届くまでドキドキ待たないといけない。

部屋からかけてくる客の声はどいつもこいつも大声張り上げてくるので、厨房で受けている店員さんは受話器を耳から10cmぐらい離すというのがスタンダードだと思う。見たことないけど。