入院患者さんがたとえ自分の両親でも、伝えられることは変わらない。
病院で理学療法士をしている。
よく医療従事者の界隈では
「自分の親を見るつもりで患者さんに接しなさい」
という主旨のことを言われることがある。
まあ、異論はない。
医療倫理としては至極まっとうな教育方針だと思う。
逆を言えば、
そのように教育しないといけないほど、
患者に対する関わりが適切でないケースがあったということなのか…?
僕が病院で働いていて、患者さんを親だと思って関わることはまずない。
患者さんは患者さんだ。
対象者の一人だ。
むしろ親だと思う方がどうかしてる。
親ではなくて、「その人」として関わる。
あ、
良過ぎることを言ってしまった。
べつに僕がどう思われようがどうでもいい。
ただ、親だとしても「その人」だとしても、
伝えること、伝えられることに変わりはない。
臨床上の指導内容、リハビリテーション内容に変わりはないのだ。
なぜかって?
僕が知って持っている知識・技術は
それ以上・以下でもないからだ。
もし親が自分の目の前に患者として現れても、
他の「その人」より特別に素晴らしい介入はできないし、
親ではない他の「その人」に介入する時も、
親より手を抜いた介入はできない。
自分の知って持ってるもんのレベルなんか
こーーーーんなもんだ(人差し指と親指のスキマ数mm)
それを相手が親だろうが親じゃなかろうが出し切れるものなんてたかが知れている。
結局つまるところ、
入院患者さんでも
地域在住の住民さんの教室でも
隣のおばさんでも
裏のおじさんでも
妻の両親でも
妻の祖母でも
自分の両親でも、
僕が伝える内容に全く裏も表も何もない。
とおり一辺倒のつまらない指導と言ってしまえばそれまでだが
僕は粛々と確かなことだけを伝え続ける。
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