雰囲気のよくない窓口
新人風の若い女性が対応してくれた。30歳前後の男性社員と40歳前後の女性社員が後ろでじっと見守っている。
私はバスの回数券を購入した。購入してすぐ、区間を買い間違えたことに気付き、謝りながら払い戻し、そして再購入に対応してもらった。
ただでさえ緊張してる様子の若い女性社員。
一旦済んだ会計を取り消して処理し直す工程なんか、新人アルバイトが初めにぶつかる一番イヤな業務のひとつだ。この社員さんはアルバイトではないと思うけど、私は自分の過去の狭いアルバイト経験に照らし、間違いとはいえ大変申し訳ないことをしたなと思いながら、静かに見守った。
後ろで
「番号控えた?」「学生証は?」「お釣りは?」
若い社員の手順の抜けを囁き女将のように後ろから指摘する40前後の女性社員。
あくまで見守りに徹し、一連の手続きを若い社員に経験させている様子だったが、何とも雰囲気がよくない。
そういう現場で私が描く理想は、たとえ若い社員がたどたどしくても、指導と接客を同時にするパターンだ。
「番号ひかえましたか?OK、先にお会計お願いします」
「大変お待たせしました、ありがとうございましたー!」
メインの対応は若い社員かもしれないけど、後ろの見守り社員も客の視界に入る位置にいるのだから、態度で接客しているのと同じだと思う。若い社員が緊張して声が出てなさそうだったら、
「大変お待たせしましたありがとうございましたー!」
上を行く声量でフォローする。すると若い社員は多少でも救われる。客も実は安心する。
接客って、一対一に見えて、実はその空間の全員が空気感を作り上げるワンチームだと思う。
どうかみんなで安心できるように、先輩方、お願いします。