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ゲンキンなもんだ

現金なもんだ。


縁あって、今は理学療法士をしている。
人と関わる仕事。
頭をすごく使う仕事。
体もすごく使う仕事。
エッセンシャルワーク。
単調な仕事ではない。
ある意味、ルーティン化されている側面は業務によってあるけれど、
アーティストではないけど時にクリエイティブが要求される場面もある。

頭と体を使う仕事、理学療法士。


一方、理学療法士になる前。
長続きこそしないけど、
経験値は低いけど、
いくつかバイトをした。
メンタル弱弱よわよわだからすぐやめてたけど。
派遣とか。
掃除とか。

そん時に思ってた。
(自分は長い目でゆっくり見てもらわないと分かってもらいづらいと思う)
って。

第一印象がいいわけではない。
人当たりがいいわけではない。
すぐ順応できるわけではない。
器用に吸収できるわけではない。
手先が器用なわけではない。
"うまいこと"できるわけではない。
基礎ができてもすぐ応用できるわけではない。
ふところに入り込むすべがあるわけではない。

でも、じっくり取り組んだ先の"成果物"なら見てもらえる気がする。
見てもらっても恥ずかしくない気がする。

理学療法士ならそれを実現できると思った。
そして確かに、実際、そういう仕事だ。
じっくり対象者と関わって、対象者をいい方向へ導くのが仕事だけど、
同時に対象者に僕を知ってもらうことも仕事のうちだ。
僕を知ってもらわないと、僕を信じてもらわないと、
いい方向に導くことはできない。
だから「知ってもらうこと」も仕事のうち。

「理学療法士をすること」にはお陰様で慣れてはきた。
10年以上やることで、
新人の頃に感じるような、
仕事そのものへの不安、未熟さを過度に意識するゆえの不安、
そういった不安は、お陰様でなくなった。


ところがどうだ?

今度は「続けること」によって、
本当に頭と体を使っているのか?
という疑念が出てきた。

クリエイティブに憧れ、
しっかり考える仕事ができる事こそが自分の本分だと、
イタいくらい信じていた。

しかしそうは問屋が卸さない。
クリエイティブとは程遠い、愚直な仕事を毎日している。

愚直は素晴らしい。愚直はいいことだ。
愚直を本分とする世の様々な職業には頭が上がらない。
そうだ、僕は愚直な理学療法士という仕事をしている。

決して華やかではない。
バイトしてたときは理学療法士しかないと思ってたのにな。
今でも結局、理学療法士しかないんだけど、
でもなんか他にもできるんじゃないかって、
僕は理学療法士だけじゃないんじゃないかって。

そんなよこしまな浮気心が出てきてるのが
この13年目の今だよ。


現金なもんだ。
明日も患者さんに向き合おう。


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