今ここおる人らはちょっと変わってる人
これは7月下旬平日14時台の画像だ。抜けるような快晴の日陰のない公園に、よく見ると何名かの人がいる。ボールを蹴る人、砂場の幼子家族連れ、犬の散歩、僕、だ。
体感、摂氏35度は超えているだろう。無風の上、日差しに重力が作用したかのように鉛直方向の熱波が直撃している。
そんな中、黙々とボールを蹴る人がいる。練習熱心な人だ。職場のサッカーチームに入っているけど、ちょっと自分より上手い同期に小馬鹿にされた。悔しくてたまらない。今日は日勤シフトだったが、居ても立ってもいられず午後から半休を取って、周りに目もくれずボールを追いかける。摂氏35度の下でもサッカーをやる十分な理由になる。いいだろう。
砂場の幼子家族連れ。30歳前後の夫婦と5歳前後の男児だ。ほんとは今日はどこも行くつもりじゃなく、平日にたまたまぽっかり取れた単発の休日だった。昼前までごろごろしていたら5歳の息子がクーラーの効いた部屋でどっか行きたいと暴れ出した。大人として、親として、安全な屋内での遊びを選択させるか殺人的な炎天下に敢えて連れ出し地球の今を体感させるか、苦渋の決断だったと思う。安全対策を十分に取った上で子どもと地球の今を体感しに行こう。この夫婦の決断を僕は尊重する。いいだろう。
犬の散歩。犬には生活リズムが重要だ。僕は飼ったことないけど、たぶんそうに違いない。仮に今日が雨でも散歩に来ていたはずだ。飼い主は14時台に散歩をすると決めている。犬もご主人についていく。それ以上でも以下でもない。いいだろう。
僕。平日の休みだ。休みには20分歩くと決めている。ここは僕が休みの度に歩いている場所だ。言うなれば、ここは僕の場所だ。何時だろうが摂氏35度だろうが、ここは僕の場所だから僕はここにいる。
…いいのか?
摂氏35度の僕の場所で、日陰を求めず過ごす人たちを遠景に収め、僕は我に返る。