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一回ぜんぶさっぱりして

一回全部さっぱりして、お花畑みたいな状態になることが、いわば夢である。どういうことかというと、人の悩みや不安や仕事や案件や課題は、尽きることがない。「やらなきゃいけないこと」は、片付けても次が始まり、次から次に押し寄せ、これ一個終わればもうすべておしまい!みたいなお花畑みたいなお気楽な世界になることは、一生来ないということである。それが社会で生きるということであり、人が生きている以上、なにか「やらなきゃいけないこと」から解放されることはないということである。

それが当たり前なんでしょう。なんでしょうけど、一度そういうのを経験したみたい。一回全部さっぱりして。何も考えなくても、心配しなくてもいい状態。仮にそうすると経済的な支障がまず出てくるので、そもそも矛盾を孕んでいるというか、禅問答のようなことだとは思う。「何もしたくないけど生きてはいたい」、それはつまるところ死を意味するのかも知れない。

働いたり何かに追われたり不安を感じたりするから、余暇が貴重と感じられるのだと思う。思いますけども。

一回全部さっぱりしてみたらどうだろうか。私の言っている「さっぱりする」とは、さっぱりしすぎて逆に不安になるくらい、本当にさっぱりするということだ。その結果、今のそれほどさっぱりはしていない状態に戻りたくなったり、今まで以上に周囲の人たちに感謝をして過ごせるようになれれば。

結局これは、「馬鹿は死ななきゃ治らない」と同じ理屈かもしれない。ようは「どうしようもない」のだ。

だから、生きている以上「ぜんぶさっぱりして」というのは、土台無理である。

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