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族に囲まれる感じ

帰省の道中に寄ったパーキングエリアで、深夜の集会が行われていた。大型車と普通車の駐車場所が区画されている都合上、普通車を停める場所まで集会のど真ん中の誘導路を必ず通る必要がある。

右にも左にも改造されたスポーツ車が並び、持ち主たちが車の外で談笑している。こういう人たちはあれだな、車にお金をかける代わりに服はなんかあれだよな。偏見だけど。そりゃ限られた有り金で一方に金を突っ込めば他方はそうはいかなくなるよ。そういった人たちの服装のイメージは、90年代前半の小沢健二とかJUN SKY WALKERみたいな軽いファッションだ。その辺は昔も今も変わらない。

改造車の間を徐行していく時、少なからずの動悸と足裏の冷や汗をじわりと感じた。

急に車叩かれたりしないかな…
にらまれたりしないかな…

手探りでドアロックを確認した。

車たちを愛でながら談笑しているのは男たちだけではなかった。幼子を抱えた女たちもちらほら見受ける。

あ、家族でそういう感じなのね

ベビーカーを揺らし赤子をあやしながら立ち話をする母親たちがいることが分かり、さすがにその状態で男たちが襲っては来ないだろうと思って、緊張が緩和した。しかし23時半なんだけどな。寝かさなくていいのかな。


とはいえ緊張感は残しながら、隙をつかれないよう平静を装った顔で。彼らの愛車たちへの物珍しそうなポーズも取りつつ、ゆっくりと、なんとか集会の中を抜けた。

ほっとした。やっぱり怖いって。自分たちの威圧感を自覚してください、お願いします。


トイレを済ませパーキングエリアから本線に戻る途中、続々と集会参加の車が後からパーキングに入っていく。まだ増えるんかい。