あの時の謎は解けていない
以前にこんな記事を書いた。
しかし結局、あの時の謎は解けていない。誰があのキューブタイプのコンソメを台所のシンク横に置いてくれていたかが分からない。家族の誰もが関わっていない。忘れかけていたけど、これからも分かることはない。
そういえば。
職場での業務調整。急な対応が必要で、昼休みに僕は途中まで済ませていたが、夕方改めて取り掛かろうとすると全ての調整が終わった状態だった。
「中山さんやってくれてたんですね」
「いや、僕じゃないですよ」
チームの誰も手を付けていない。だとしたらチーム外の誰かが密かにやってくれてた?あまりにピンポイントでかゆいとこに手が届き過ぎている。チーム外なのに?そんなことを黙って知らぬ間にやってくれた人がいるのか。でも誰か分からないしこれからも分かることはなさそう。謎は解けない。
そういえば。
高2の夏の思い出はなぜこんなにも断片的でセピア色なんだろうか。あまりに一生懸命で、情熱にあふれていて、子どもだった。放っておいたら風化するから、修復して修飾することでしか記憶を引き出せない。だから引き出す度に、たぶん変わっていってる。当時の裏付けを得ることは二度となく、謎が謎のまま塗り替えられる。
あの人はなぜ僕にあんなによくしてくれたのか。
なぜあんなに優しかったのか。
一体どんな気持ちだったのか。
母はなぜあの時自分の血液型を内緒にしたのか。
理由のあることばかりじゃない。
理由を聞いても、当人たちにも分からないのかもしれない。
謎でも何でもなく、ただ起こった、それだけ。
とはいえ、コンソメの話だけはちょっと性質が違うな。