佐藤初女さんのおむすびを、作家・田口ランディさんと共に習おう!
故・佐藤初女さんは、日本のマザー・テレサと呼ばれた方であり、
青森県弘前市に「森のイスキア」という場所を作り、苦しむ人たちを受け入れ、食を通して何かを伝えようとした方です。
ここで、「何かを」伝えようとしたと言うのは……、初女さんは語る人ではなかったからなんです。
問題を抱えている人に、本当にじっと黙って寄り添う方でした。
本当の答えはその人の中にしかないことを、知っている方でした。
その沈黙は、見たこともないほどの沈黙で。
佐藤初女さんの沈黙は、その人の中にある答えを
引き出す力を持っていました。
初女さんのおむすびを初めて食べた時、私は
本当に漫画のように、「ガーン!」と頭に石が落ちてきたのを感じたものです。
一瞬、何が起こったのかわからなくなるような……そんなおむすびって、存在するの? と思いますが、
私は、初女さんのおむすびを食べた時、愕然としたんですね。
わけのわからない力に、心が震わされるような。
そんなおむすびでした。
おむすびの中の梅干しを漬けるにも、
「10日以上は干します」と初女さんは著書「初女さんのお漬け物」(主婦の友社)で語っておられます。
初女さんの梅干しを実際に再現しようとしたら、
10日では足りないことがわかり、
2週間干してやっと、1歩近づけたかな? というくらいで。
梅の状態も見て、塩加減や干す日数も変えておられたのでしょう。
毎年、「こうだろうか、こうなんだろうか?」とチャレンジし、
6年目に梅を3週間干して、漬け汁に漬けたり干したりを繰り返して、
ようやく2,3歩近づけたような気がしています。
その間、太陽に当てて、ひっくり返して。
雨が降ったら取り込んで。
愛なしには、作れない梅干しがおむすびの中に入っています。
初女さんのおむすびは、お米の扱い方がきっと
最初から違っていました。
「森のこもれび」を主宰する山﨑直さんは、初女さんのご存命中におむすび講習会を初女さんと共に開催されていた方です。
直さんのおむすびを結ぶ姿は、名前のとおりに素直で、
心をおむすびに向けて結ばれます。
お米を洗うところから始めるおむすび講習会は、直さんならでは。
お米の洗い方、水加減、炊き方一つで、おむすびの味が変わります。
初女さんが亡くなられる一年ほど前に、
山﨑直さんと田口ランディさんと一緒に弘前イスキアを訪ねた折、
初女さんがこんな風に語られたのを覚えています。
「ぬか床は、生物多様性だと思うんです」
私たちは驚き、言葉を失い、ただ
ぬか床と地球が脳裏に浮かぶのを見つめていました。
初女さんは、微笑んでいました。
この言葉の意味を、風のように感じながら日々を
過ごしています。
初女さんに思いを寄せると、初女さんが近づいてくる。
どんなに遠くにあると思っていても、
思えば思うほど、ほんの数センチでも、近づいてくると
私は感じています。
作家・田口ランディさんと共に、初女さんのおむすびを作りましょう。
2022年10月3日の、初女さんのお誕生日の日に。※イベントは満席になりました! ご参加の皆さん、ありがとうございました!
講師は「森のこもれび」代表の、山﨑直さん。
神奈川県湯河原町にある、「湯河原リトリート ご縁の杜」で、一泊二日の体験学習にぜひ、ご参加ください。
森のイスキアを体験した私たちは、ほんの少しでも初女さんの思想を、
届けられたらと思っています。
ゲストに初女さんと交流のあった盲目のバイオリニスト、穴澤雄介さんを
招いて。バイオリン演奏や、森のイスキアでの佐藤初女さんを撮影した
田渕睦深さんの写真展も開催します。
初女さんを思うと、
初女さんが近づいてくる。
ほんの一歩でも。
私たちは初女さんの思いを、この世に伝えていきたいと思っています。
1泊2日の体験学習「おむすびと祈り 初女おかあさんから娘たちへ」に
ぜひ、ご参加ください。
山田スイッチ
Two days workshop in Yugawara
2022年10月3日(月)・4日(火)
開始 10月3日13時30分
終了 10月4日15時00分
場所 「湯河原リトリート ご縁の杜」
http://www.goennomori.jp/
JR東海道線湯河原駅下車5分