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ニライカナイへの道

お盆なので、ストックしてたnote解放。

色々あって数ヶ月不在でした、申し訳ない。
今は現実面で、教える裏方に回っているので
展示作品以外はあんまり描けなかった。

過去ノートに書いてた2024年抱負をひとつ
現実にすることができました。
この話は今まとめていますが、次にします。

今回の話は、今現在がお盆期間なので
死生観寄りのはなし。

アナログ絵のためにデジタルで描いてた大ラフ

「ものごとのゴールとスタートは海にある」 

これは過去作から今まで一貫して描いてきてる
自分にも課しているテーマと
迷ってた人にも示した方向性であり、
いろいろやった結果、たどり着いた答えです。

普段は都下の自然を描くことを
メインにしていますが
なにかの節目のときだけは
「海」に関係した絵を描きます。

例。Twitter(X)撤退時に描いたもの

特定宗教の思想などは絡んでいません、
ただ近いもの、と言える考えだと
沖縄の「ニライカナイ」が近いです。

これは、定期的に行ってる沖縄の影響が
デカいんだと思います。 
これである!という神様は存在せず
祖先や目の前のあらゆる自然に神を見るので、
神を祀る建物や神像などの形も、
ほぼ存在しない。
代わりにウタキと呼ばれる聖林で、
巫女たちが祈りをささげる。

ウタキは大抵気づかない場所にある

行くたびに気づきや発見があるのですが
いつも不思議なのがふたつ。

ひとつは
「太陽どれだっけ?」と
本気でわからなくなること。

今年撮影した沖縄本島の海(18時)

南の島の太陽はあらゆる意味で最強です。
丸腰で外行ったらケガ(やけど)します。
とにかく強烈に世界を照り付けてきます。
スマホで後付けで加工して盛る必要なく
正確に極彩色の世界をファインダー、
いや、肉眼で確認できる。

そして、海もまた最強です。
海水とサンゴの白砂が美しいので
鏡や白いキャンバス状態。
空の色を雲ごと、そのまんま映してきます。

太陽の反射まで正確に映すので
午後は空と海、太陽がふたつある状態。
太陽自体、眩しすぎるのも相まって 
本当に目が混乱するんです。

今年は満月にも当たったので
さらにわけわからんくなりました。
だから太陽は3つあったです(まだ混乱中)

ほんとにこう見えます

マジックアワーなんか完全に
新海アニメの背景でした。

あんなやたら発色のいいきれいな世界、
どうせ二次元しかないもんだろと
タカを括ってた私は
目の前に雄大に広がる現実に
打ちのめされてしまい
すいません、ありましたと考えを改めました。

ふたつめ。
人と海は、においと気配が
かなり似ていたこと。

直近は家族旅行だったのですが
今年から子供が大きくなって
単独行動ができるようになり
くそ暑かったんですが
磯を歩いたり、レンタル自転車で
周囲を回ったりを2時間ほどやってました。

以下は今年遭遇した、ふしぎな話です。
海沿いを探検してると、
急に人の匂いがしてきました。
はじめ磯の匂いかと思ったけど、
明らかに切り替わったので、
違うぞ、なんかあると感じました。
小さな洞穴が何個もあって、
誰もいないのに何人かの人の気配がする。

人のにおいと気配の先には
大きなガジュマルの木と
やはり大きくて暗い洞穴があり
入り口には人によって突貫で
積まれたような白い石垣が見え

「冥…」と刻まれてあった

石碑が静かに立ってることに気づいて
察してすぐ引き返しました。

自転車探検でも同じく人の気配の違和感→
その先にひっそり石碑や千羽鶴が
飾ってあることに気づいて
遭遇のきざしが見えるたび
あわててその場を引き返してました。

沖縄本島ですから、
一番の泥沼戦だった那覇地域ではなくても
やっぱりウチナーイクサの遺したものって
随所に膨大にあるんですよね。
マップには載せられない場所が
ほとんどなんだと思います。

そういう背景を綴って
序盤の海とニライカナイの話にもどる。

「ゴールは海」な2021年漫画のラスト

南の島だととくに、視覚のほとんどが
海と空の水平線で占められるので
太陽や月は海からやってきて
海にかえってゆくのが普通。

だから理想郷も海の向こうにあるもので
命も海から来て海にかえる
海の先で神と人と命がいっしょくたで
循環しているのではないかと
南に住まう人々は考えたのでしょう。

おそらく、すべての死生観や各神様の
存在意義の根っこに
必ずあたる考えだと思うので
私はこの初手概念を推します。

しかし
現場で海を眺めていて
あとちょっとで見えそうなのに
辿り着けそうにも見えるのに
あまりにも広くて遠くて
到底行くことは難しいと実感したのも
ニライカナイです。

ほんとに、どう行ったらいいんだろう。
船でも飛行機でもかなわない。
イルカやクジラになるか。
鳥は…いや、それもキツそう。

何度か海から返されて
相当な徳をつまないとな。

いつか行けたら良いな。
そこにはどんな極彩色な世界が
待っているだろう。

いつかたどりつけたら
ニライカナイの先の景色を見てみたい。

ニライカナイへの道(アクリルガッシュ)

来年も行きます、きっと。

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