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知っているようで知らなかったフラメンコ! マドリッドで出会ったその芳醇なリズム世界(ルポルタージュ/YAMAHA『mysound.マガジン』より)

大学時代──世界レベルのJAZZドラマーである
池長一美氏に師事して、わりと真剣にドラムをやっておりました。
当時は、「スタジオ系のプロドラマーになりたい!」なんて大それたことを夢見て…ヒマさえあれば “師匠” とともにジャズ喫茶に引きこもり、店内に流れている曲を演奏しているドラマー(や他のプレイヤーを)ジャケットを見ずに当てるという「ブラインドホールド」なるゲームに興じながら、日々耳を鍛えたものであります。

今でも時おり電子ドラムを叩いたりもしています。

スタジオミュージシャンへの道は、残念なことに大学を卒業するころには実力と才能不足を痛感し、断念せざるを得なかったのですが──もちろんのこと、
音楽は今でも大好きです。

大好きすぎるがゆえ、まず “ながら” で音楽に接することはできません。いざ「音楽を聴く」となれば、なるべく大音量で「聴くこと」だけに集中します。(※かの坂本龍一さんも同じようなことをなにかのインタビューでおっしゃっていた記憶があります)
音楽を聴き “ながら” 原稿を書く…なんてえのは、
ぼくにとってはとんでもない話です。できるのは、せいぜいが「スポーツジムでランニングマシーンに
乗り “ながら” 」くらいでしょうか。

また、大好きすぎるがゆえ、原則として「音楽(がらみ)」の仕事は受けないようにしています。10代のときはやはりあれほど大好きだった「絵を描くこと」を、中途半端なかたちで仕事にしたため、結果として「描くこと」が「苦行」と化してしまった二の轍を
踏みたくないからです。

しかし、そんなぼくでも「音楽」についての原稿をしたためたくなることは…稀にあったりもするわけで──たとえば、これからここで紹介する記事は…版元が『YAMAHA』さんだけに、「フラメンコ」をかなり専門的に掘り下げた仕上がりとなっています。

https://mag.mysound.jp/post/410?ymfrm=pc_top&ymsrc=ymm

スペインの「マドリッド商工会議所」から「マドリッドのPR」を依頼された際に執筆したルポルタージュ原稿なんですけど、たった(?)3000ワード強の枠組み内に、グルメからゴメスのバックボーンフラメンコの魅力までがあまつなく凝縮された、コラム的要素もフレイバーした珠玉の作品──この10年間でも1、2を争うほどの出来だと、我ながら自負している
次第であります。

演奏後、ギタリスト二人とスリーショット!
グルメ情報も。カスティーヤ地方の郷土料理「コシード」。

ただ、今回このルポルタージュをフィーチャーするにあたって、あらためて原稿を読み返してみたところ──ひとつ “あること” に気づいてしまいました。
もしかすると、ぼくは「音楽」が大好きってよりは…正確に表現すれば

「単にドラム(を中心とするリズム)が
大好きだけなのでは?」

…と。フラメンコの基本リズムパターンである
「コンパス」に関する執拗に解説あたりに、
その片鱗が見え隠れしているのです。

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