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📕町でいちばんの美女
チャールズ・ブコウスキー、著
町でいちばんの美女
短編集。
「ありきたりの狂気の物語」のあとに読んでみると、ブコウスキー作品への感じ方が少し変わるかもしれない。
表題の「町でいちばんの美女」は、ブコウスキーの繊細さを味わえる作品ではないだろうか。
美しさゆえにほんとうの自分を知ってもらえないキャスは、自傷行為によって醜くなろうとする。
個人的な感じ方だが、
「ありきたりの狂気の物語」がブコウスキーの衝動で書かれたのに対し(表題のとおり、狂気によって)、
本作はストーリー要素が強く、冷静?に書かれていたように思う。とはいえ、あくまでブコウスキーである。
冷静さとは程遠い登場人物による物語は、やはり読者を狂気へと誘うであろう。