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📕蜘蛛女のキス

マヌエル・プイグ、著
蜘蛛女のキス

ブエノスアイレスの刑務所を舞台に、同性愛者の中年男性モリーナと、革命家の青年ヴァレンティンの対話を中心に展開していく。

モリーナはかつて見た映画のストーリーを語り始める。生き方も、性格も、まったく違うふたり。映画の感想は対立してばかりだ。

それでも、体調を崩すヴァレンティンを献身的に支えるモリーナ。ふたりの間に信頼関係が築かれる。

やがて分かる事実。
モリーナは刑務所長からヴァレンティンのゲリラ組織に関する情報を引き出すよう命じられていた…

ほぼ会話だけで進むこの小説。
初っ端から、タイトルのわからない映画の話を延々繰り広げる。
なんのこっちゃと思いながら読んでいると、ふたりの置かれている状況や人間関係が見え隠れしてくるのが不思議な魅力だ。

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