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錦秋の京都旅「六地蔵駅で途中下車をした理由」


以前取り上げた琵琶湖疏水感謝金の続報が入ってきました。



2025年度からの10年間、年2億3千万円で合意されたのです。私はてっきり物価や人件費高騰、琵琶湖保全コストで大幅に増額されるものだと思っていました。感謝金は水道料金から支払われています。節水機器の普及と人口減少により10年前に比べて約10億円分の水道利用が減ったと読売新聞に書かれていました。そういう事情があって10年据え置きという判断になったのでしょうね。

私は別の事実にも驚きました。京都市内の水道水99%が琵琶湖から賄っているそうなんです。京都の川といえば桂川や鴨川が有名ですよね。それらの川からも取水しているのかと思いきやそうではなかったのですか。つまり日照りで琵琶湖の水が少なくなったら滋賀県民だけでなく京都市民も節水しなければなりません。ゲリラ豪雨で濁流になることもある京都市北部から流れゆく川ですが、オーバーツーリズムも水量もいい感じで分散してくれたらいいのにと思う今日このごろです。

さて前回は夢浮橋ひろばで紫式部像を撮影したあと宇治橋の由来や歴史の紹介をしました。


早朝より始まった旅。

気づけば三時間が経過していました。京阪宇治駅に到着。時刻は午前10時。ご覧のように多くの観光客が今から楽しい宇治観光を始めようとしています。私は彼らと逆方向に進みます。まさにずらし旅です。


本当にどうしよう

宇治観光以外の計画を立てていなかった私はホーム上でこのようなルートを思い描いていました。


  1. 中書島駅で下車し京阪本線に乗り換え

  2. 三条駅で下車し東西線に乗り換え

  3. 京阪山科駅下車

宇治から山科へ行く場合、ほとんどの人がこのルートを選ぶと思います。


発車まで少し時間があったので『京阪電車×響け!ユーフォニアム2024』のラッピング車両を撮影しました。

昭和25年に始まったヘッドマーク。最近見られなくなりつつありますが伝統が形を変えながら令和の時代に受け継がれているってなんかいいですよね。


午前中に宇治観光を終える人はほぼいないのでもちろん車内はガラガラです。


車内も『響け!ユーフォニアム』ラッピング一色。

宇治線の長いカーブに揺られながら中書島駅まで行くつもりだった私。黄檗駅を過ぎたあたりで突如電球がピカッと光りました。


そうだ、忘れてた!
京都市営地下鉄東西線使えば
山科へ行けるやん


そうです。そうなんです。六地蔵駅から地下鉄に乗って山科に行けることをすっかり忘れていました。京都市営地下鉄・醍醐エリアを一度も利用したことがなかったので無意識に選択肢から外していたのでしょうね。


降りる準備をし始めたのは木幡駅あたり。

なので慌てることなく六地蔵駅に降り立つことができました。


モーター音と鉄の擦れる音だけが鳴り響くホームで静かに列車を見送ります。


その昔、六地蔵駅の近くにボーリング場、プール、巨大迷路、スケートリンクが並ぶ一大レジャー施設がありました。


バブル崩壊とリーマンショックにより鉄道沿線の娯楽施設は次々閉鎖され現在はその面影を残していません。

レジャー客の立ち寄らない住宅街に佇む駅となりました。


ピッと改札口を出る私。

交通系ICカードの利用が功を奏しました。もし三条駅までの切符を購入していたら130円分の損をしていたところです。(宇治駅から三条駅まで350円)


下調べをしなかった私。

東西線の乗換方法を当然知りません。



山科行きのバスがあるやん!


目の前にバスターミナルがあり山科の文字が見えました。停車標に貼られている運行経路図と時刻表を確認します。10分待ちかぁ。それなら鉄道に乗り換えるよりこのままバスを待っているほうがいいかも。地下鉄って渋滞に巻き込まれる心配はないけれどホームまで行くのがまぁ面倒なんですよね。昇り降りだけで10分くらいかかることもありますし。


山科駅行きのバスがやってきました。

私の他には地元の人らしき方々が数人いらっしゃいました。定刻通りに発車します。22A系統は醍醐寺を経由するルートです。JRと東西線の六地蔵駅が見えました。京阪の駅からはけっこう離れているのね。車窓を眺めながらバスは北上していきます。


「石田」停留所で雰囲気が一変しました。

背の高い欧米系の外国人観光客が乗り込んできたのです。醍醐寺観光が目的なのでしょう。それにしてもなんで地下鉄を選ばなかったんだろう。バスは外国語のアナウンスを基本しません。行き先案内もローマ字表記のみです。案の定困っているようでした。先払いか後払いかもよくわかっていない海外の人。彼らは運転手さんに質問をしました。どんな対応をされるのだろう。こういうやりとりって日本人同士でも殺伐とすることが多いのでヒヤヒヤする私。顔を覚えているからオッケーオッケーと笑顔で彼らの小銭を受け取り運賃箱に投げ入れた運転手さん。余計な心配はあっという間に杞憂に終わってバスは発進しました。


乗り慣れていないバスに乗るってまぁ大変ですよ。

『オードリーのオールナイトニッポン』2025年2月15日放送回で春日さんがアメリカのバスに乗った話をされていました。バスは鉄道よりもローカル色が強く、熟知していないと運賃を払う時に手間取って乗客と運転手に多大な迷惑をかけることがあります。日本国内でも先払い後払い、自動精算システムで困惑することがあるのに外国のバスに乗るなんて本当にとんでもないことです。私なら海外でバスを選択しません。どんなにお金がなくても乗るなら鉄道かタクシーです。

しかも春日さんの乗ったバスはなんと紐を引っ張ってベルを鳴らして停車を知らせる方式だったとか。それって初期の京都市電と同じシステムやん。醍醐寺に行くなら京都市営地下鉄東西線石田駅から醍醐駅のルートがあるのにわざわざ京阪バスを選んだ外国の人とオードリー春日さんの度胸に感服です。


そんな事がありましたので一瞬で目的地に到着しました。

初めての参詣となる醍醐寺です。外国の方々とともにバスを降りた私。今回はここまでに致します。



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皆様が楽しめるようこれからもがんばっていきますので末永くご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。



あとがき




今回の旅ルート

©️Googleマップ
京阪電車宇治線「宇治駅 ⇒ 六地蔵駅」


©️Googleマップ
京阪バス「京阪六地蔵 ⇒ 醍醐寺前」




これまでの旅ルート

樟葉駅⇒宇治駅
京阪電車本線・宇治線 350円

宇治駅⇒六地蔵駅
京阪電車宇治線 220円

京阪六地蔵⇒醍醐寺前
京阪バス22A系統 (京阪バスIC1dayチケット利用)



京都検定対策

京阪六地蔵駅のすぐ近くに『京の六地蔵めぐり』のひとつ、大善寺さんがあるのですが立ち寄らなかったので今回は割愛します。



余談

京阪バスIC1dayチケットを購入していたのですが話がややこしくなるので本編での説明は省きました。宇治駅バスターミナルから京阪バスに乗って宇治の名所をいくつか巡るつもりをしていたんです。本数が思っていたより少なくてこれといったバス路線が見つからなかったので電車で向かうことになりました。

実は六地蔵駅から山科へ向かうバスがあるのは知っていました。ただ本数までは調べていなかったので一時間以上待つことになれば地下鉄に乗っていたと思います。ベターな選択ができて何よりです。



追記

2025/03/03

『わたしの旅行記』応募作品の中で、スキの週間一位を獲得しました。皆様ありがとうございます。感謝!!

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