【hint.203】あなたは「本当の自分」についてどんな風に考えていますか?
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「私とは何か ──『個人』から『分人』へ」を現在、ガシガシと読み込んでいます。
本書は、抽象的な人間一般についての理論書ではない。そうした体裁を整えようとすると、どうしてもモデルが先行して、私たちの実感に潜んでいる微妙なニュアンスを押し潰してしまう。そもそも、私は学者ではない。小説家だ。従って、語られる内容は、最初から最後まで、具体的な話ばかりである。無駄な複雑さを極力排して、可能な限り、率直に、シンプルに、わかりやすく議論を進めたい。
この本では、自分というものを、また他者というものを、なにか確固とした「本当の自分」というものを有している存在と考えるのではなく、実際に存在している「自分が関わる相手によって引き出される自分」それぞれを、すべて「本当の自分」として考えることで、自分自身が生きやすくなったり、他者への関わり方が寛容になったり、共感的になったりと、そのようなとても大きなメリットがあるのではないか? と、本全体を通して主張を展開されており、かつ、上の引用文にもある通り、様々な具体例を挙げながらどのようなイメージを「分人」というものに載せているのかということについて語ってくれている一冊になります。
「本当の自分」と、こんな風に言葉にすることは簡単だし、なんとなく「これが『本当の自分』なのかなぁ」などともイメージできる気はするものの、それは実際のところどの自分なのだろうか?
「一人で過ごしている時の自分」が「本当の自分」?
いやいや「自分が一緒にいて居心地のいい人と過ごしている時の自分」が「本当の自分」でしょ。
いろんな考え方があると思うし、実際にこの二つに関しても本の中でしっかりとした分量で語られてもいる。その内容はおもしろいし便利だと思う。
来週の木曜日の夜、「第一章」からみんなで読み進めていこうと思っているので、参加者の皆さんには「まえがき」の部分は必ず事前に目を通しておいてもらおうと思っている。
興味が湧いた人も、まずは「まえがき」だけでも読んでみてはいかがでしょうか?
とても簡潔で、「おもしろそう!」と感じる「まえがき」になっていると思いますのでね。
あなたは「本当の自分」についてどんな風に考えていますか?
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