訪問リハビリ

訪問リハビリ 「ステーションからの訪問」と「病院からの訪問」 どっちがどうなん?

2016年度の診療報酬改定で、病院や診療所からの訪問リハビリテーションは増加すると予測しています。大規模な病院さんは訪問看護ステーションを展開することを予測しています。じゃあ、リハビリテーション専門職種はどっちの方がいいのかとか、リハビリ系訪問看護ステーションはどうすべきなのかってことを書いてみた。

回復期7単位以上制限の影響

2016年の診療報酬改定では回復期リハビリテーション病棟におけるリハビリテーションの実施において7単位以上には制限がかかるようになります。無条件に9単位をとっていた病院にとっては結構な打撃。

実質7単位以上の個別リハビリテーションに対応できない病院も出てくるでしょうし、7単位以上のリハビリを取りやめる病院も出てくると考えています。

だからと言って、すぐにリハビリテーション専門職種がリストラにあうってことはないと思います。

余剰となった理学療法士や作業療法士、言語聴覚士は訪問リハビリテーションに行かされることになるでしょう。

院内で稼げないなら院外で稼ぐってことですね。

訪問看護ステーションの現状

看護師の訪問も、リハビリと同じように訪問看護ステーションからの訪問と、病院や診療所からの訪問とに区別されていました。

訪問看護ステーションからの訪問の方が単価が大きかったので、訪問看護ステーションを併設している病院も多いんですよね。だけど、徐々にその点数の差がなくなってきました。

介護保険にしろ診療報酬にしろ病院や診療所からの訪問看護は点数がアップしてきているんですよね。

だから、これからは規模の小さな診療所や病院さんは訪問看護ステーションを併設するのではなく、病院から直接訪問するっていうstyleの方が多くなるかもしれません。

しかし、人数の多い大規模訪問看護ステーションは機能強化型訪問看護ステーションの基準を満たせばかなり収益が増加するんですよね。

だから、看護師をたくさん抱えているような医療法人系の病院が経営している訪問看護ステーションは大規模化することで有利に展開できるでしょうね。

これからは小回りが利いて24時間対応できるような地域密着の小さな規模のステーション比較的広い地域をフォローする医療法人系の大規模ステーションって感じに2極化してくるでしょうね。

訪問リハビリはどうなる?

そんな中で、訪問のリハビリテーションはどうするのかってことだ。

病院や診療所、老健からの訪問リハビリ

訪問看護ステーションからの訪問リハビリ

上記の2つは制度的には異なる。利用者さんの側から見ればどちらもセラピストが自宅に来てリハビリしてくれるから違いは分からないけど、制度上は大きく違う。

病院や診療所からの訪問は、基本的にはその病院の患者さんが対象になる。他院の患者さんの場合は診療情報の提供などが必要になる。

訪問看護ステーションの場合は主治医の制限はないが、医療保険の場合は1カ所の訪問看護ステーションしか利用できないなどの制限があったりする。

加算のこと

訪問リハビリテーション事業所からの訪問に対しては、リハビリテーションマネジメント加算を算定することができる。2015年の介護報酬改定で登場した加算だ。訪問看護ステーションでは算定できない

このことから予測すると、

報酬的に見ると、リハビリテーションの訪問に関しては医師が直接関与することができる病院や診療所が運営する訪問リハビリテーション事業所の方が有利になる

と考えています。

どこまでいっても、「リハビリテーションは医師の指示のもとに・・・・」からは抜け出せないってことだ。

特区以外での訪問リハビリテーションステーションなんて当分実現しないと予測しています。

リハビリ系訪問看護ステーションはどうする?

加算を算定することもできない、改定のたびにリハビリ訪問の点数は減っている。訪問看護ステーションのセラピストにとってはここ数年の改定は楽しくない結果になっている。

だけど、この方向性は平成18年くらいから予測できていることで、ここ2、3年で慌てているようならそれはかなり甘い予測をしているってことだね。

だけど、看護師のスタッフよりもリハビリスタッフが多いリハビリ系訪問看護ステーションにとっては、リハの点数が減ることは死活問題ですよね。

看護師さんの団体の力は非常に強いので、訪問看護ステーション制度が崩壊することなどはありえませんが、訪問看護ステーションでのリハビリスタッフの生き残りは厳しいっていうのが現実だと思います。

だから、

これから訪問を目指すなら、病院を退職してリハビリスタッフがたくさんいるリハビリ系訪問看護ステーションに転職するよりは、医療法人が経営しているような病院や診療所からの訪問リハビリテーション事業所の方が長い目で見れば生き残っていけるように思います。

回復期リハビリで7単位以上の制限があって、訪問リハビリに出るっていうのは、そういう意味でも自然な流れ。

病院業務と訪問業務の両方を理解しているセラピストが増えるっていうのは、地域にとってもメリットは大きい。

けっきょくどうなん?

2015年の介護報酬の改定と2016年の診療報酬改定を見る限りでは

病院や診療所からの訪問リハビリテーションの方が有利

だと判断しています。主治医をどうするのかって問題はあるのですが、事業所としての生き残りっていう点では加算を算定できるし、リハマネ加算2でケアマネジャーにしっかりと食い込むことができれば、顧客も確保できる。

点数が下降している訪問看護ステーションよりは有利でしょう。

だけど、主治医に関係なく訪問できるし、24時間対応で小回りの利く訪問看護ステーションのメリットも大きい。

だけどそれはあくまでも看護師さんのアドバンテージであって、リハビリテーションのアドバンテージではない。

じゃあリハビリ系訪問看護ステーションはどうすべきかってことは、今お読みのnoteサイト

やまだリハビリテーション研究所note

を引き続きフォローしてください。

リハビリ系訪問看護ステーションのことや、小さな規模の訪問看護ステーションのことについても引き続き書く予定です。

アカウント登録してスマホのnoteアプリから読むのがお手軽ですよ。


こんなお話をリアルに聞いてみたい方はこちらからどうぞ
講演依頼


フリー作業療法士として日々書いております。サポートは励みになっています。サポートなくてもお買い上げいただけますが、あると嬉しい。