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【2023.3.3.】ICFについて色々思うこと1「対象者さんはICFなんて知らないんですよね、だからこそ・・・」

※このコラムはどなたでも全文お読みいただけます。

活動と参加へのアプローチについてはコラムでもよく書いています。
◆連載コラム「活動と参加へのアプローチ」

最近はそのアプローチの先にある目標設定についてもいろいろ書いています。
◆2023年2月スタート
連載コラム「リハビリテーションの目標設定のこと」

ここでいうところの、活動と参加へのアプローチっていうのはICFによる「活動」「参加」を指している。

だけどね、こんな考え方はリハビリテーション関係者側が学んでいることであって、世間一般の人たちは知らない。

だからリハビリテーションはうまくいかないことが多いし、勘違いしているセラピストもたくさんいる。活動と参加へのアプローチに悩んでいる理学療法士や作業療法士、言語聴覚士はたくさんいるでしょう。

ICIDHからICFに変わったことを知らない若いセラピストもたくさんいる。

「ICFのことを知らない」「きちんと理解していない」から、「できないこと」に焦点を当てて「できないこと」をリハビリテーションで何とかしようと考えている若いセラピストさんたちは多いし、ICIDHの時代から働いているオールドセラピストなら、ICFなんて知らない人や理解していない人もいるだろう。

だからいつまでたっても「できないこと」を探してリハビリテーションをしようとする。

コラムでもよく書くことだが、ICFだろうがICIDHだろうが患者さんにとってはどちらでもよい。

ただ、ICFの視点を持ったリハビリテーションの方が、患者さんにとっての利点や利益は大きくなるのではないかなと思うのです。

骨折後のリハビリテーション

最近始まったケースなんですけどね。これまで看護師さんだけで訪問していたのですが、骨折で入院されたので、退院後リハの訪問も開始になったケース。

そうそうこのケースですね。

このケースなどもそうだけど、このケース担当したらどうするんだろう。
ICIDH的な視点のセラピストだったら、何からアプローチするのだろう。

「痛い」といえば痛みのことを考えてアプローチし、筋力低下があれば筋力増強だけをするのだろうか?歩行の自立あたりを目標設定にしてそうだね。

歩行の自立を目標に設定して、屋外歩行ばかりすることもあるのかな?

このケースを担当した時に僕が考えたことは

「活動範囲をどこまで広げることができるかな?」

ってことです。

自宅内は何とか歩行器なしで、最低でも伝い歩きしながら、支持物やつかまるものがない場所では何とか独歩。屋外では歩行器歩行でどこまで行けるだろうか?そのあたりが当面の目標になるなってことを考えました。

自宅内でも自宅外でも「活動範囲を広げることで、できる活動が増えるだろうな」って考えます。

そうして最終目標は、骨折前に行っていたスーパーまで歩行器で行くこと。

こんな発想をしてくれるセラピストはどれくらいいるだろう。

できないことだけを考えるのではなくて、本人のやってみたいことを実現するためのリハビリテーションの発想がICFだと思う。

「歩けないから歩けるようにする」だけじゃなくて、活動範囲を広げるにはどうすればいいだろうという風に考えます。だから、歩行能力が改善しない場合は、ほかの移動手段やサービスの活用も検討します。

「いつか歩けるようになりますよ」ってだましだましのリハビリテーションを延々と続けることはないでしょう。

その実現のためには、OTだけが関わるのではなく多職種や多事業所が関わって実現できればいいなと思う。決してリハ職だけで何とかしてやろうなんて思わない。

続きはまた明日

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やまだリハビリテーション研究所
作業療法士
山田 剛

#やまだリハビリテーション研究所

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「生活期リハの視点で病院リハと地域リハをつなぐ・変える」を主要テーマとして、大阪の作業療法士のやまだ…

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