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【2023.9.18.】子ども園での作業療法士の関わり5「作業療法士の関わりが初めてだったら」

現在月1回勤務している子ども園さんは、もともと非常勤で働いている作業療法士さんがおられて、その方が産休になるので私が関わることになった。だから、その子ども園さんには作業療法士が務関わってきたという素地がある。

だけど、子ども園にもし作業療法士が初めて勤務することになったら何から始めればいいのか?子ども園とかかわり始めたらどんなことを意識するのかってことを少し書いてみたい。

以前に今の勤務先とは異なる子ども園さんから講演依頼を受けたときに作った資料がこれです。この資料は、子ども園さんの講義でも使ったし、地域で子供さんたちに関わっている療育関係者向けの講演でも使ったりしたものです。

この資料の中にも書いてあるんだけど、子ども園の保育士さんや療育関係者のスタッフさんたちにまず最初に伝えておきたいなと考えているのは

「リハビリテーションは魔法ではない」
ということと
個別支援が中心となりやすいこと」
の2点です。

このことについてもう少し詳しく書いてみたい。

リハビリテーションは魔法ではない

自分の実力のなさを露呈することになるのかもしれませんし、言い訳がましく聞こえるかもしれませんが、

リハビリテーションは魔法ではありません。一度だけの関わりで子供たちの動きや行為が劇的に変わることはないし、どんな疾患や障害でも改善させることができるわけではありません。改善には時間がかかることだってあるし、うまく課題が解決しないこともあります。

保育士さんや療育関係者さん向けに良く伝える言葉です。

子ども園などに勤務するときには常にこのことは伝える必要があると考えていますし実際に伝えています。

講演会の質問タイムでは、ご自分が関わっておられる子供さんの状態を事細かに説明して、どうすればよいですか?と尋ねられたこともあります。

だけど見てもいない子供さんのリハの提案などできないし、仮に目の前に子供さんがいたとしても1度だけの関わりではなかなかきちんとした解決の方法を伝えることはできない。

だからこそ少ない頻度であっても、継続的に関わることのできる関係を築き上げることは大切だなと子ども園に勤務しながら考えています。

常に課題の解決の方法やアプローチに対しては試行錯誤するし、いろいろ考えてみるが、うまくいかないこともある。時間のかかることもある。

残念ながらリハビリテーションや作業療法は魔法ではないのです。

だけどあきらめることはない。

個別支援が中心です

学校関係の先生方や保育士さんからよく質問があるのは、集団でどのような関わりをすればよいですかということもよく聞かれる。

特に支援学校に関わっていた時に、1対多数や1対複数のクラスの中で集団で出来る活動でなおかつリハビリテーションの効果が期待できるようなものはありませんか?尋ねられた。

これにもすぐに考えつくような回答ができませんでした。

基本的には作業療法士の支援の在り方は個別支援が中心となることが多いのです。

子ども園や児童デイサービスなどで、同じ障害程度の子供さんたちを太陽に集団対応的な関わりをしたことはありますが、基本的には個別支援が作業療法の中心となります。

だからこそ子ども園での作業療法士の関わりが必要

一人の作業療法士が、子ども園でいろんなケースに関わっていくことは難しい。

だからこそ、保育士さんとのコラボレーションが必要になってくるんですよね。

だからこそ作業療法士ができることや出来ないことをきちんと最初に伝えていくことが大切。

個別支援が中心の作業療法士の介入の視点を、保育士さんたちに知ってもらうことで保育士さんにもリハビリテーションの視点での介入が保育の現場で出来るようになるといいなといつも考えながら行動しています。

その最初の一歩が作業療法士のことを伝えていくことなんですよ。

ここをおろそかにするとなかなか継続的に関わっていくことが難しくなっていくし、何だかたまに来て偉そうに指導するけど結局は集団での対応はできないんじゃないの?みたいに誤解されてしまう可能性がある。

そう僕が何か特別なことをするのではなくて、できることなら連携しながら一緒に支援することができればよいなと考えています。

掲載した資料を基に少しコラムを連載していこうかと思いますので、興味ある方は、よろしければフォローしてください。

やまだリハビリテーション研究所
作業療法士
山田 剛

#やまだリハビリテーション研究所

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「生活期リハの視点で病院リハと地域リハをつなぐ・変える」を主要テーマとして、大阪の作業療法士のやまだ…

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