【2023.1.26.】活動と参加へのアプロー⑬「活動と参加へのアプローチの始め方」3
※このコラムはどなたでも全文お読みいただけます。
出来ることから評価を始めると前回のコラムに書きました。
もう少し具体的に書いてみます。
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現在は訪問リハ業務を中心にしていますが、定期的に回復期リハ病棟の作業療法科の事例検討会でアドバイザーとして勤務していることもあり、回復期でも生活期でもおおよそ同じような形でアプローチ出来ると考えています。
どこまで動ける?
臥位、座位、立位、それぞれへの姿勢変換、移乗動作などなど、どれくらい動くことができるのかってことをまずは確認します。
臥位から座位へ
座位から立位へ
立位から座位へ
座位から臥位へ
などなどの姿勢変換と、それぞれの姿勢の安定性の確認ですね。
そんな動作の中で、上肢や下肢がどの程度随意的に動くのかということも合わせて評価していきます。
「どこまで、出来るのか?」
起き上がりの評価と言っても、「出来る」or「出来ない」という評価ではなくて、「起き上がり動作が一人でどこまでできるのか?」ってことを評価します。
ピクリとも体が動かないってケースは少ないと思います。
どこかしら動くなら、どこまで起き上がり動作が可能なのか?
途中までできるなら、その先を続けて行う為にはどうすればよいかってことを考えます。
また、起き上がりができないからと言って、座位保持ができないとは限りません。
起き上がりの評価と座位保持評価はまた別。
起き上がりができなくても、座位保持ができるなら、座位の評価や座位からの立ち上がりも評価します。
セラピストも患者さん自身も、どれくらいのことができるのか、自分の体がどれくらい動くのかってことをきちんと評価していくことが大切だと思っています。
評価と言っても、セラピスト目線の評価を進めることはもちろんですが、患者さん自身も今の現状をすることは大切だと考えています。
もしここで、すべて介助したり、「一人でできないし体も硬い」からといって、初期評価の段階から可動域訓練っぽく徒手的なアプローチを多めにしてしまうと、そんな風な徒手的なかかわりがリハビリテーションなのだというイメージを患者さんに与えることになります。
すぐにリハビリテーションを実施してほしいという患者さんの想いは大変理解できますし、セラピストさんのすぐに何かリハビリテーションに取り掛かりたいという気持ちも理解できます。
だけど、最初の部分のとっかかりを間違えてしまうと、リハビリテーションに対してのイメージというか認識が大きく変わります。
「主体的なリハビリテーション」や「活動と参加へのアプローチ」を行うためには初期のころの関わりはめちゃくちゃ大切になってきますj。
活動と参加へのアプローチがうまくいかないセラピストの多くはこの最初のアプローチの時点で間違っているのだと思います。
だからまず最初に実施すべきことは、「できない事探しの評価」ではなくて、「できる事探しの評価」なのだと考えて実践しています。
明日のコラムに続きます。
やまだリハビリテーション研究所
作業療法士
山田 剛
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