【2023.3.28.】2024年同時改定に向けて27「お金を稼ぐために訪問リハって考えているあなたへ」
※今日のコラムはどなたでも全文お読みいただけます。
このコラムは連載コラム「2024年同時改定に向けたリハビリテーションの在り方」としてのシリーズコラムです。
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病院を退職して訪問リハ業界に転向してくるセラピストは非常に多い。
出来高制なので、頑張った分お給料に反映されるから月給制の病院勤務よりやりがいがある
そんな職場はまだまだ多いし、そんな感覚で訪問リハ業界に転向してくる人はたくさんいる。
そうしてそんなセラピストほど、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士がたくさんいる職場に転職したがる人が多いように思います。
もしかしたら中には
訪問看護ステーション立ち上げて、リハ中心な運営してがっつり稼ぎたい
って考えている人もいるかもしれない。
そこまでじゃなくても
病院の人間関係が嫌になった
現場業務の訪問リハそのものだけやっていたい
中には
在宅のリハと病院のリハの違いなんてどうでもいい、リハの中身は何でもいい、とにかく稼げさえすればいい
そんな人もいるかもしれませんね。
働き方や稼ぎ方は人それぞれなので、きちんと仕事さえしていれば私がとやかく言う立場にはないので構わないと思います。
そらまあできるなら、私が日々メンバーシップのコラムに書いているようなスタイルの訪問業務をやってほしいとは思いますが・・・
そんな働き方のことはともかく、
あなたは、診療報酬改定や介護報酬改定のことを知っていますか?
2年ほど前の2021年介護報酬改定の時に訪問看護ステーションの人員基準が変更されそうになって、あわててPT協会OT協会ST協会の3団体が署名活動を展開したことを知っていますか?
制度のことを知らない
厚労省の方向性のことを知らない
そんな感覚のセラピストは働き方に対する考え方はともかくとして、訪問リハ業界でずっと働き続けることは難しいと思いますよ。
2021年の介護報酬改定のこと
2021年介護報酬改定の議論の場において、「訪問看護ステーションに勤務する人員のうち看護師の比率を全スタッフの6割にする」という6割基準が議論されました。撤回されたけどね。
訪問看護ステーションの人員基準は常勤換算で2,5人という基準のみで、比率とかの基準はありません。
だから、看護師少数・リハ多数という形式の訪問看護ステーションがあちこちに存在しています。
そのことの是非はともかくとして、報酬改定ではこのようなリハ多数の訪問看護ステーションはよろしくないという意見があり、その対策として看護師比率6割という議論が出てきたんですよね。
前述したように、3協会が協調して署名活動などを行い、そのことが影響したのかどうかはわかりませんが、この6割基準が採用されることはありませんでした。
2024年と2030年の同時改定のこと
そのような議論があったこともあり、きちんと時代を読んでいるリハ多数の訪問看護ステーションの経営者の方は積極的に看護師の雇用を進めています。一方そんな制度改定のことなんてお構いなしにリハ多数を継続している事業所は存在します。
さて、このコラムをお読みの訪問看護ステーション勤務のセラピストさんはどんな人員比率の職場ですか?
リハ多数?
リハ少数?
リハ多数だけれども看護師比率6割以上
リハ多数で看護師は3人くらい
私は経営者でもない、ただの非常勤掛け持ち勤務の54歳作業療法士ですが、これまでコラムを書いたり、制度改定の方向などについていろんなところで講演させていただいたりしてきました。
そんな経験から考えると、2024年同時改定は大丈夫かもしれませんが、2030年同時改定では人員比率6割問題は再燃するだろうと考えています。撤回された議論は必ず再燃すると思います。再燃すれば署名活動くらいでどうにかなるとは思いません。
そしてもう一つの課題になるだろうと考えているのが、リハの指示書を書く主治医に要件が付くのではないかということです。そのことはこちらに詳しく書いています。
現時点で訪問看護ステーションに勤務している
これから訪問看護ステーションに勤務しようと考えている
そんな理学療法士、作業療法士、言語聴覚士さん達はお給料のことも大切ですが、
これから先のリハビリテーションの方向性
制度改定の事
自分の事業所のトップの人たちが事業所の方向性をどのように考えているのか
ってことを知っておかないと、訪問リハビリテーションの業界で長く働きづつけることはできなくなるのではないかなと考えています。
事業所の進む方向が間違っていると、事業所そのものがつぶれてしまう可能性がありますよ。
不安な方はよろしければメンバーシップのコラムを読んでこれからの時代のリハビリテーションのあり方について考えてみませんか?
やまだリハビリテーション研究所
作業療法士
山田 剛
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