IFAから投資信託を買う
FP関連業務のクオリティ向上のために知識と同等に大切なことは、金融保険商品でも各種社会保険制度でも実際に体験してみることと考えています。
金融商品に関して言えば、私は国内外の個別株、インデックス型並びにアクティブ型の投資信託、J-REIT、国内外ETF、日本国債、米国債、米ドル建て社債、外貨預金、退職金定期、ファンドラップ、AI型投資、一時払い終身保険、純金、CFD、FX、暗号資産等々、一通りは経験してきています。
また社会保険制度関連でも、任意継続被保険者制度、国民健康保険、国民年金任意加入と付加年金、iDeCo、小規模企業共済、(配偶者の)国民年金基金、雇用保険の基本手当と公共職業訓練なども実践してきました。
このような問題意識のもとで、いつか体験してみたいと考えていた対象にIFA (独立系ファイナンシャルアドバイザー )経由での金融商品の購入というものがありましたが、この度その機会に恵まれました。
きっかけは、とある知り合いが最近IFA業者に転職したことです。
固有名詞を出さない前提で「IFA体験」をブログに載せることと、私からの質問に答えて頂くことを条件に、そのIFA推奨の金融商品を新規に100万円ちょうど購入すると申し出たところ快諾を頂きました。
そもそもIFAとは何者なのでしょうか。
IFAナビというサイトから引用すると「銀行や証券会社のような組織には所属せずに、独立した立場から投資や資産運用のアドバイスをする職業であり、金融商品仲介業者としての登録を受けているため、特定の金融機関に所属しなくても金融商品のアドバイスや売買の仲介が行え、それゆえに公平な立場からアドバイスできる点がポイント」とあります。
特定の金融機関に所属していなくても、金融商品の売買や仲介時に報酬をIFAに支払うのは販売元である金融機関ですので「それゆえに公平な立場からアドバイス」という能書きには失笑してしまいます。
一方でIFAを経由して投資信託などを購入する場合、ネット証券などで直接購入するケースと比較して、IFAが仲介する分だけ顧客負担が高額になってしまうという「疑惑」は、一部IFAには当てはまらないようでした。
具体的に私が契約したIFA業者は某大手ネット証券銀行の専属でしたが、IFA経由か否かにかかわらず顧客が支払う購入手数料や信託報酬は同率で、IFA経由にすると本来その証券会社が得る利益の一部がIFAに分配されるという設計でした。
この仕組みに関して販売元のネット証券会社にどのようなメリットがあるかを単刀直入に質問してみたところ、担当IFAより以下の説明がありました。
① 世の中にはネット証券の利用に興味を持ちながらも画面操作や商品選択の際に自分一人では対応できない潜在顧客が多くおり、証券会社側からすれば自社利益の一部を渡してでもIFA活用で追加の客を取り込むことができる。
② ネット証券には口座開設後しばらくして休眠状態となる利用者が一定数おり、IFAを関与させることでそのような顧客を常にアクティブにすることが比較的可能となる。
つまるところネット証券会社にとってのIFA活用の意義は、従来からの店舗型証券会社の営業員のようなものであると同時に、IFAとは直接的な雇用関係がないので、「中立的」という表現も使えて「客を油断させるにも都合がよい」存在というように理解できます。
さて、IFAという職業もそれなりに理解させてもらえた中で、約束通りそのIFAが推奨する世界株式対象のアクティブファンドを100万円ちょうど購入させて頂きました。
想定範囲内とはいえそのファンドは信託報酬が1.980%もかかるものでした。
一方で私は自分の選択として、同日にそのネット証券で売れ筋の世界株式対象型の信託報酬0.0561%のインデックス型ファンドを同じくちょうど100万円分購入しました。(共に購入手数料自体はゼロ)
この趣旨は「IFAの実力拝見」ということで両ファンドを1年間競わせて相対的にどちらが良い結果を残せるかの実証実験をしてみるためです。
信託報酬がいくら高くても、顧客側からすればそれを含めての運用結果がインデックスファンドを上回るのであれば文句はありませんし、それこそがIFA自身も存在意義を証明する名場面になるというものでしょう。
追記:
両ファンドの購入日は2024年12月5日(木)で「初値」を確認できたのは12月9日(月)で以下の通りとなります。
上段が信託報酬0.0561%のサルでも買えるインデックスファンドで下段が信託報酬1.980%のIFAが推奨したアクティブファンドですが、いきなりプロがサルに2千円ほど負けるところから始まりました。
購入からちょうど1年後となる2025年12月5日(金)をこの勝負の判定日として結果を確認してみることが今から楽しみです。