キャリアチェンジ体験記(大手企業→ベンチャー企業)
今回は私が大手企業からベンチャー企業へ30歳でキャリアチェンジしたきっかけや、ベンチャーに行ってから苦労したことや学んだ体験をお伝えしたいと思います。
同じ境遇でこれからベンチャー企業へチャレンジしたいと考えている人に少しでも参考になれば嬉しいです。
簡単な経歴
1社目:日立製作所(8年)
2社目:レイス(ヘッドハンティング部門のレイノスに所属)(5年)
3社目:リクルートエグゼクティブエージェント(3年)
4社目:ミライフ(1年目)
今回は上記の1社目から2社目に転職した時の話です。
業種(製造業→人材紹介業)
職種(ITセールス→人材コンサルタント)
企業規模・フェーズ(プライム→未上場ベンチャー)
という3つのキャリアチェンジを一気にしたので相当苦労しました・・・。
※自己紹介はこちら
何故キャリアチェンジを考えたのか
日立時代はITシステムの法人営業がメイン。
当時29歳、私の取り巻く環境や考えていることは以下のような状況でした。
・毎日同じ業務の繰り返しで成長実感を得られなかった
・日付が変わるまで価格交渉と納期対応、土日も仕事
・30歳で主任、40歳前後で課長、50歳前後で部長と超年功序列社会
・成果を出しても出さなくてもさほど給与は変わらない
・あと30年、同じ仕事をずっと続けていくという未来に期待が出来ない
この様な状況で私がまず取った行動は「部署異動」です。
当時は「情報・通信システム社」というカンパニーに所属していましたが、新幹線や電車の車両、信号システムなど手掛ける「交通システム社」のマネージャーと懇意にしていて、色々と話しているうちに「じゃあウチに来いよ」と声がけいただきました。日立には社内公募制度があり、それを使って異動を試みましたが社内政治により異動が実現せず。それならば外の世界を見てみようと情報収集をするようになりました。
レイスに決めた理由
私には当時「これをやりたい!」「こうなりたい!」というWILLがなく、「このままだと何となく不安」という心境で、エージェントから紹介されるメーカー中心の求人にどれもピンときませんでした。そんな中、レイスのエージェントと出会い、レイス自身を勧められ話を聞くうちに同世代が切磋琢磨している環境、経営者と対峙する仕事にとても惹かれ入社を決意しました。
人によっては、社会や業界の負に対して課題解決する事への共感で企業選びをする「社会軸」で転職する人もいると思いますが、私は前述の通り、何かになりたい、やりたい訳ではなかったで、まずは自分自身が成長できる環境で学び、経験して将来の選択肢を広げるという「自分軸」で転職を決めました。
ベンチャー企業と大手の違い
レイスに入社してすぐにベンチャーと大手企業の違いに驚かされました。
・経費・交通費精算はエクセルシートで申請(週1)
→日立:システム上で申請、翌日入金
・朝礼で理念の唱和
→日立:なし
・徹底的なKPI管理
→日立:なし
・デスクの上に自分の収支表が貼り出される
(青い用紙:黒字社員、赤い用紙:赤字社員)
→日立:当然なし
・合宿で崖の上から宣言を叫ぶ、泣く。
→日立:あるわけがない
・月一で成績をランキング形式で発表
→日立:そもそも個人で見られない、チーム予算で管理
・未回収債権のランキングも発表
→日立:ちゃんと与信して取引するので未入金とかありえない
・会計テスト、時事テスト
→日立:なし
・毎月入社する人と、退職する人がいる
→日立:8年間で中途入社は1人。退職は定年で辞める人がいるくらい。
・チームで達成すると海外に達成旅行。本気で遊ぶ。
→日立:毎月積み立てで年1で社員旅行。熱海で上司にお酌。
書き出したらキリがないのでここまでにしますが(書けないことの方が多い)、文化が違い過ぎて3ヶ月で15キロも体重が落ちました(笑)
特に、日立にいた頃は自分のコストを意識することもそんなシーンも無かったので、自分のデスクの上に収支表が置かれ一目で黒字社員か赤字社員が判別されるのは強烈でしたね。ただ、それがとても良い経験になりました。自分の採算を常に認識することで数字に対しての意識も変わりました。
レイスは当時19期目で社員は300名程(今は2000名規模)でした。ちょうど事業も社員もぐっと伸び始めるタイミング。成長スピードは凄まじく、次々に新規事業や施策などが展開され、人材エージェント業だけではなく様々な商材を経営者に提案することにもなりました。
求めていた成長実感
業界も職種も会社フェーズも全て未経験の私は早々に「有名大手企業出身」というちっぽけなプライドは破壊され、必至でくらいついていきました。昼夜・休日問わず仕事に明け暮れ、徹底的に生産性・コスト意識を叩き込まれビジネスマンとしての基礎が再構築され、成長実感に溢れる毎日でした。オーナー社長とのやりとりは視座も上がり背筋も伸びます。インダストリーカットされていないのであらゆる業界の勉強も必要です。
会社自体もどんどん刷新され、昨日までアナログだったことが翌日にはシステム化、仕組化され、組織もアップグレードされていく。社員も増えることで拠点が次々に立ち上がり、横浜拠点の立ち上げメンバーとして組織作りの経験もできました。
看板営業して名刺を見せれば信用していただける前職とは違い、身一つの自分の力で成果を出す環境にとても充実していました。
お伝えしたいこと
これからベンチャー企業へキャリアチェンジしたいと思っている、特に大手企業にいらっしゃる方で、企業を選ぶ際にここだけは考えて欲しいこと、それは2つです。
「成長意欲があるか(覚悟)」と「プロダクト・サービス・理念に強烈に共感できるか」です。
最近はマイルドな社風の大人ベンチャーや労働環境が充実しているホワイトなベンチャー企業もありますが、それでも圧倒的なスピードとハードワークがほとんどで、上記のどちらかの想いがないと続けられないと思います。
ハードワークでも日々改善される制度や仕組み、自分の成長や貢献・利益が会社にもたらすインパクト、会社の一体感など、会社を自分の手で創っていくリアルな手触り感はそこにはあります。
圧倒的な当事者意識・オーナーシップを持って取り組む経験を積み、スキルが上がることで数年後には今とは違うキャリアの選択肢が増えるのではないでしょうか。
最後に
今回はマインド面のお話が中心でしたが、次はベンチャーへキャリアチェンジする際のスキル面からの考え方のお話が出来ればと思います。
大手企業にいらっしゃる方でベンチャー企業への転職に悩んでいる方は、ぜひ一緒に考えていければと思いますので気兼ねなくご連絡してください!
業界動向や市況感、同世代の人がどんな転職をされているのか事例を知りたい等の情報収集でも大歓迎です!
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