地元の夏祭りから生まれた次世代に受け継がれているあの曲を考えてみる?
曲としてはハズレなし。ハズレがあるなら山田(仮名)の実力不足
今回はバブルガム・ブラザーズの「WON'T BE LONG」を取り上げてみます。
偉大なる公式PV↓
この曲自体は1990年にリリースされましたが、EXILE&倖田來未が2006年にカバーしたので、耳にした方は多いと思います。
倖田來未の公式様より↓
敢えて語るまでもないのですが、せっかくなのでやってみます。
何故か日本人に伝わるノリの良さは?
多分、この曲が目指すべき最終到達予想地点はEXILE&倖田來未のカバー版かと思います。
21世紀現在の日本で、屈指のダンス&ミュージックを表現できるアーティストによって2006年にカバーされたですから、当然の帰結かもしれません。
1990年の時代背景からすれば、やや先をゆくいい意味でのブラック系のノリが強い曲だとこれまで思っていました。
しかし、改めてバブルガム・ブラザーズの公式を観ると、単にブラック系のノリの曲"だけ"とは言えないのではないかと考えてしまいます。そこには、日本人の誰もが心の中に埋もれている魂レベルの何かに触れてきたからこそ、16年先に受け継がれたのではないかと私は考えます。
もう一度PVを観てから考えてみる?
バブルガム・ブラザーズのPVをよく観ると、高円寺の阿波おどりの映像、そしてこれでもかというくらいの高円寺推しです。Bro.KORNの出身地である高円寺の名物行事・高円寺阿波おどりをモチーフに作られたのが「WON'T BE LONG」とされています。
単にブラック系のクラブミュージックのカテゴリーでくくれば、日本では(私の想像をはるか超える規模で)今までたくさん生み出されており、一部はクラブだけでなくゲームなどの音源としても広く普及していると思います。
しかし、「WON'T BE LONG」は
ブラック系でありながらみんなが集まって踊りたくなるテイスト
都会にある洗練されたカッコ良さと地元・ローカルにしかない友達感覚に包まれた温かさ
クラブミュージックでありながら、日本人の耳に馴染みやすいこれまでの歌謡曲のような哀愁が残る曲調と歌詞
を見事に取り込んだ楽曲だと思います。
結果、歌詞でもわかるように元々の未来に向かって行こうとする姿を持つ音楽の性格を持ちつつ、
昔ながらに日本人の心の奥底にあったムラ社会の伝統への回帰願望…
庶民の娯楽でありながらムラの結束を強めるイベントへの思い入れ…
をシンクロさせることにより、新しいジャパニーズソウルが誕生した。そしてその魂が次世代のアーティストたちの心を揺さぶり、より洗練されてきた。そんなジャパニーズソウルのスタート地点となるべく生まれてくるべく運命づけられた楽曲が「WON'T BE LONG」だったのか思います。
万人に受けるソウルミュージック
確かに、「WON'T BE LONG」は単に素人が歌うだけなら歌いやすい曲だと思います。もちろん、バブルガム・ブラザーズやEXILE&倖田來未のようにより、プロによって洗練された方が曲としての完成度は上がります。しかし、この曲が阿波おどりのテイストを含んでいる以上、(感染症が蔓延していなければ大声で)みんなとワイワイ楽しみたい、そんなJapanが誇るソウルミュージックとして、いや文化として語り継いでいくべき楽曲かもしれませんね。(了)