IBIZA島の奥深さと音楽の価値を浴びるように感じる映画『太陽と踊らせて』
世界中に行ってみたいところは、たくさんあります。でも、もし10日間の時間と移動費を上げるからどこか一箇所と言われたら、僕は迷わず、地中海の島「IBIZA」と答えるでしょう。
イビザ島の存在を知ったのは、1990年頃、Chillout系のコンピレーションCDがきっかけだったと思います。スペインとアルジェリアの間、地中海にある美しい島に、文化度の高い人達が住みつき、DJカルチャーの一翼を担ったこと、そしてリゾート地として発展して、パーティーピープルの憧れとなっていった話を伝え聞き、そこから溢れてくる音楽を聞いて、一度は行ってみたいなとずーっと前から思っています。
音楽に携わる仕事をしていても、僕の守備範囲にIBIZAに行く用事(や口実?)は見つからないままでいました。
そんな僕には見逃せない映画が公開されました。期待以上の素晴らしい映画です。
大きなパーティに象徴される、ハイテンションで派手なイビザのイメージとは一味違う美しいリゾートアイランドとしての側面です。20年以上、レストランのレジデンス(小屋付き)DJを務めている伝説のJon Sa Trinxaのドキュメンタリー。夏の地中海の美しいエメラルド色と素敵な音楽を背景に、Jonの人生と彼が流し続けた音楽に影響された人たちの証言が綴られていきます。新宿歌舞伎町育ちの台湾人女性監督の作品です。音楽と映像が、とんでもなく美しいのに、押し付けがなくセンスを感じます。
是非是非、観て下さいー!ということに尽きます。音楽が好きな人にとっては、音楽が人生に与える影響の大きさ(すごく大きい人がいるということ)や、イビザ島の人々(観光で訪れる人も含めて)の生活に音楽が深く、自然に溶け込んでいる様子が伝わってきて、心地よく酔える映画です。
お酒が飲める環境でリラックスして、もう一度ゆっくり観たいなと思いました。イギリス人のJonの英語はすごく聞き取りやすくて、Comfortableです。ああいう笑顔で人と接するオッサンになるのはどうすればよいのだろう?しかめっ面せずに、静かに話す姿が本当に素敵です。
71分という長さも、豪華ではないけれど丁寧なパンフレットもすべて良質です。一度目は映画館で、そして二度目はお酒を飲みがら大きなスクリーンで、柔らかな質感のオーディオで楽しみたい映画です。見逃さずにご覧になって下さい。
僕は2〜3年以内にIBIZAに行けるように真剣に考えようと思いました。
モチベーションあがります(^_-)