CWFのこれまで10年と、これからの作曲家の10年。
日本のコーライティング・ムーブメントの震源地として活動してきた作曲家コミュニティ「Co-Writing Farm」が9月14日に10周年を迎えて記念パーティを行いました。こちらがレポートです。音楽業界関係者、CWFメンバーと一緒に作品を作ってくれた作家のみなさんが多数集まってくれて嬉しかったです。ありがとうございました。
目標は、国内「お茶の間」ヒットからデジタル・グローバルヒットに
宴の締めのスピーチを求められた僕はとっさに「CWFの次の10年とかどーでもいいけれど、日本の音楽界の未来は真剣に考えましょう。ここにいるみなさんが、グローバル音楽シーンでヒットを出すことがいちばん大切だと僕は思っています。」と言ってしまいました。僕らしい大人気のない発言だな(笑)と思いますが、本音です。
作曲が目指すヒットは、TVで流れる「お茶の間」ヒットから、デジタルサービス上で聴かれるグローバルヒットに目標が変わっています。そのベースにあるのがコーライティングです。英語ではwriting sessionとかwriting campとか言われていて、もうco-は付きませんね。共作が当たり前すぎということなのでしょう。
コーライティングという音楽創作/原盤制作の方法は、デジタル化による低廉化を背景に音楽家側にイニシアティブが移った原因でもあり、その結果として普及しています。1人で完結することが可能な外国人の作曲家達がコーライティングを続けている理由は、ネットワーキングと、成長の機会を求めているからです。1人で制作しても人脈も広がらないし、新たな学びもないのでもったいないという感覚なのです。
Co-Writing Farmは、約140人のプロ作曲家によるコミュニティなのでコーライティング相手を見つけるのには最適です。会員外の作家も交えながら積極的に作品づくりが行われています。
Co-Writing Farmの10年を数字で振り返る
パーティの中では、一期生のhanawayaがまとめてくれた10年前との数字の比較が発表されていました。僕も改めてなるほどなと思う内容だったので、抜粋して紹介します。
Co-Writing Farmは、山口ゼミの1期生14人で2013年9月に結成されました。
山口ゼミは40期となり、受講生はのべ600人を超えました。CO-Writing Farmは年間200超得るコンペに参加させていただいています。
リリースは419曲になっているようです。
Co-Writing Farmとしてコンペに参加している楽曲だけで、4672曲になるそうです。単純計算ですが、4672-419=4000曲以上のストック楽曲があるということになりますね。コレをもっと世に出していく機会をつくりたいです。
キャンプは23回で945人が参加しているそうです。コロナ禍で3年間お休みしていましたが、今年の春から真鶴での合宿型のキャンプも再開しています。素晴らしい環境で、作家が成長するきっかけになるので、継続していきたいですね。
こういうデータがフランクに共有できるのが、コミュニティの良さだなと思います。採用の秘訣みたいなことも内部で情報共有されていくので、ノウハウが積み上がっていくのです。
コンスタントに楽曲創作ができるのも仲間がいるからですね。コミュニティパワーを感じます。新しい才能もどんどん加わってきています。
LAからヒロイズムも参加
10周年パーティでは、たまたまLAから一時帰国してきたヒロイズムが来てくれて、素敵なスピーチをしてくれました。まだ日本でコーライティングが知られていない頃から一緒にキャンプをやってきた仲間です。
これからの作曲家像について考えるイベントやります
山口ゼミ/Co-Writing Farm10周年の締めくくりのイベントとして、ヒロイズムと二人で、これからの作曲家の活動の仕方についてトークイベントやることにしました。
トークテーマは、こんな感じで考えています。是非、ご参加ください!
・LA/グローバル音楽シーンの現状とクリエイターの立ち位置
・LAから見る日本人作曲家のチャンスと可能性
・アメリカ音楽シーンでのK-popブームの真相
・山口が唱える「職業作曲家3.0」に対するヒロイズムの見解
・外国人とのコーライティングでの注意点
・日本人のためのコーライティングのやり方
・日本の音楽業界の良いところ悪いところ、作曲家が気をつけるべきこと
山口ゼミ第42期生募集中です!
ということで、あと10年やるかどうかはわかりませんが、まだしばらくは山口ゼミは続けます。1月開講の42期生を募集中です!
作曲家になるためには、日本で最も優れた仕組みになっていると自負しています。
受講経験者からコメント集めたらこんな感じでした。
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モチベーションあがります(^_-)