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丸さんが言ってるんだからホントだよ「レコード会社はもういらない」

<2023年8月20日追記:丸山フォロワーの経営者がソニーを大復活させましたね。こちらの動画をご覧ください!>

 数々のヒットアーティストを生み出したEPIC/SONYをつくって、新しいアーティストの成功モデルを提示した後に、ソニーコンピューターエンターテインメント社長としてプレイステーションを大成功させた丸山茂雄さんは、音楽だけでなく日本のエンタメ業界のレジェンド中のレジェンド。与えた影響力は計り知れません。業界は丸山さんの薫陶を受けた人で溢れています。ひところ壊滅的だったソニーグループが復活したのは、平井前社長の「ワンソニー」というコンセプトだったと僕は感じていますが、平井さんも丸山チルドレンの一人です。
 そんな実績も人望も識見も抜群で、みんなから慕われる「丸さん」が、日経ビジネスのインタビューに答えられていました。

歯に衣着せぬ丸山さんのインタビューはわかりやすいです。

丸山氏:そんなの、レコード会社なんていらないと思うよ。10年前から後輩に会うたびに、「レコード会社ってまだ給料もらえているんだ、ラッキーだな」なんて言っていたわけ。

 レコード業界が音楽ビジネスの幹でなくなって、人材のミスマッチが起きています。デジタルがわからないスタッフは付加価値付けられない時代です。そのことを指摘しているのでしょう。丸さんは事務所の経営者(マネージメント兼プロデューサー)をリスクペクトしてくださっていました。

丸山氏:ミュージシャンは曲を作れるが、自分でライブのことを全部できるわけではない。才能がある人だとしても、スタッフが必要になる。例えば、どうやって観客を集め、ファンクラブを維持し、ファンを喜ばせるのか。そういうコーディネーションをしていく人が必要。つまり、歴史を遡れば分かれていったプロダクションとレコード会社が、再び一緒になり、そしてライブで稼ぐといった構図へ変わっていくんじゃないか。
 ミュージシャンやアーティストはスキャンダル、薬の問題を起こすこともある。プライベートの管理はレコード会社だってできない。でも、その後始末はやってやんないと。24時間、アーティストに対して人としてセンサーを働かせる。これまで、記録媒体の販売だけで済んでいたレコード会社も、アーティスト一人ひとりと向き合わざるを得なくなっている。

 今までのやり方は通用しないよ、ってレコード会社に勤めているかつての自分の後輩たちへのメッセージに感じました。

 実は僕は、丸山さんと初めてちゃんとお話したのは総務省のオフィスでした。15年位前になります。正義感溢れる弁護士と勇気ある課長が、放送局の子会社が自社の番組タイアップ曲の音楽出版権をもつ業界慣習が独禁法違反ではないかと、問題提起してくれたことがありました。普通に考えれば「特権的地位の濫用」という典型的な独禁法違反なのですが、放送局側の逆襲は激しく、反証のために、音楽ビジネス経験者の証言が必要という話になったようです。すでにソニーミュージックを退社されていた丸山さんが実情を話されました。業界内のバランスを気にして、現役の音楽事務所社長が逡巡する中、命知らずの僕が手を上げたわけです。就職もせずにインディペンデントに生きていて、こういう時に正義のためにリスク負えないのでは、自分の人生に価値がない気がして、思わず名乗り出てしまったのですが、内心はドキドキで、丸山さんがいらしたことで、ホッとしたのを覚えています。そうなれば、理屈を順序立てて並べて相手にわかるように伝えるのは得意なので、放送局側の主張を全て論破しました。丸山さんから「山口くん言うねー」と褒められたのが嬉しかったです。(意外に単純w)

 以来、時々、お会いしたり、僕のセミナーにゲストでいらしていただいたりしてお付き合いさせていただいています。5年前にイベントにお呼びしたら、「もう引退」とおっしゃっているので、「丸山茂雄を引退されない会」を勝手に作って、会長を名乗っています(笑)TOPの写真は、その時の別れ際に撮った思い出の写真です。

 音楽業界の大レジェンド。ソニーミュージック社長退任後は、アーティスト発掘のデジタルサービスを立ち上げて失敗、SMエンターテインメントの顧問を務められるなど、守りに入ること無く最先端をあるき続けた丸さんのレコードレーベルという遺産はしっかり壊しつつ、思想を受け継いでいきたいなと、このインタビューを読んで改めて思いました。

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山口哲一:エンターテック✕起業
モチベーションあがります(^_-)