私のアジャイルジャーニーの"始まり"
この記事はシン・アジャイルAdvent Calendar 2022の10日目の記事です。
今回は「私のアジャイルジャーニー」というテーマで書いています。
「ジャーニー」という言葉から思いついたことをつらつらと書いていたら、最終的にポエムのような内容になってしまいました。
私のアジャイルジャーニーは"始まり"を繰り返している気がしています。
私は数年前、アジャイル、そしてスクラムと出会いました。
ここが本当の意味での"始まり"です。
無駄に真面目な私は当初、とにかくスクラムの理論を詰め込んだような覚えがあります。
スクラムを体験する喜びこそありましたが、それ以上にとにかく学び、理論を蓄積することに価値を感じていました。
その後、ゼロイチでスクラム開発の体制を作る機会に恵まれます。
学びを実践する機会の"始まり"です。
私は培った理論を武器に、方針やルール、体制といったものを作っていきました。
但し、当時の私は実践よりも理論に偏っていたので”あるべき”を追求し過ぎていましたし、またメンバーから挙がる疑問に対しては”べき論”で返していたような気がします。
当時の私を端的に表現するのであれば、拙い正解の探求者だったなと。
「ちゃんとしないといけない」と必死になっていたのかもしれません。
そこから2021年末、自ら構築したスクラム環境の中で、本格的にスクラムマスターとしての活動を開始します。
これは多くの失敗を経験し、アジャイルの価値をほんの少し理解するジャーニーの"始まり"でした。
スクラムの”形”にこだわり、チームに多くのことを求めていた
スクラムマスターの提案(という名の要望、期待)の多くは機能せず、チームが自分たちで気付いた時の方が早く改善されることを痛感した
チームの”中”に目を向けて課題の解決を試みようとしていたが、実際の要因はチームの”外”にあった
チームやその中の小さな文脈だけではなく、チームを含む大きな文脈を捉えないと真の問題は見えてこないと知った
メンバー1人1人はやる気があるし強い課題感を持っていても、いざ”チーム”になると良い方向に向かわなかった
“チーム”という1つの生き物と見なす必要があると気付いた
チームの生産性が高まっていたが、自分の提示した理論が機能したわけではなくチームが"楽しい"と感じられていたからだった
現場が楽しんでいるということはどんな理論にも勝ると気付いた
チームを強く牽引するメンバーの加入によって、スクラムマスターの力無しにチームが大きく変化する様を垣間見た
嬉しさ、そして同じくらいの歯痒さを覚えた
同時に、自分1人ではなく、他のメンバーと協力し合うことで何かを変えられることを理解した
短いサイクルでプロダクトがより良いものに近付いていく様子を目の当たりにした
但しこれは「スクラムを入れたから」ではなく、意義を理解し、自分たちのあり方やマインドを見直し続けたからこそ実現できた
外部のアジャイル系のイベントに何度か参加し、悩みながらも前に進もうとする多くの人達が居ることを知った
そしてその事実に強く勇気づけられた
シン・アジャイルというコミュニティに参加し、自分だけでは持ち得ないような、素晴らしい経験談や考え方に出会った
自分の経験や今の実力に落ち込むこともあったが、それもまたアジャイルジャーニーと考えられるようになった
様々な人の言葉に触れ、考えるうちに、初めて"自分のアジャイル感"を自分自身で理解することができた
座右の銘である「明日はもっと良い自分」と自分のスクラムマスターとしての活動が繋がった
etc…
そして今、私はこの記事を書きながら振り返っています。
この1年は全くもって教材の通りにはいきませんでしたし、教材では得られない経験を培ったように思います。
この短い期間ではありますが、一際大きな学びが2つありました。
アジャイルとは理論ではなく、「気付き、改善し、また気付き、を繰り返す”あり方”そのものである」ということ
そしてスクラムは「やればうまくいく」ものではなく、「アジャイルな"あり方"をチームで実現するためのガイドラインのようなものである」ということ
形だけ実践すればいいのではなく、「良いものを作りたいと思う人々が意義を理解し、改善を繰り返して初めて息づくものである」ということ
こんな当たり前に思えることに気が付くまでに1年弱かかってしまいましたが、これもまた私のアジャイルジャーニーのあり方なのだと思います。
最近は幸いなことに、私の見ているチームが自ら大きく成長しようとしています。
そして私の所属する組織は、これまでになく大きな成長を迎えようとしています。
チームだけではなく、もっと大きな課題に向き合う次の"始まり"が顔を見せ始めました。
私のアジャイルジャーニーは始まったばかりです。
そしてこの先も永遠に始まり続け、終わることは無いのだと思います。
次にどんなことが"始まる"のか。
心から楽しみです。
(記事を読み直すとだいぶ恥ずかしいことを書いている気もしますが、これもまた旅の通過地点だと思って受け止めます)
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