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中山りの
2020年5月31日 19:39
あなたはどこかふわふわしていてなにかをしていないと落ち着かないようで、アニメを見るかゲームをするか、タブレットで勉強するかしている。そうじゃなければ、大人に「あそんでよぉ」と言い寄って、一緒にトランプをしたりしようとする。そうしてずっとなにかをしながら動いていて、じっとすごせていることは少ない。たまに絵本や漫画を読む気になったときは、比較的動かないですごせているけど、アニメとかゲームのとき
2020年5月30日 21:20
公園で遊んでいたときに友達からなにか気に触ることをされたようで、あなたは烈火のごとく怒ってパンチしようとしていた。ぼくはそれを遠巻きに見ていて、しばらく放っておいた。子ども同士で解決できればいいと思ったから。けどあなたのパンチは、というか怒りは執拗に長く、どうやら自分ではおさめられないようだった。ぼくはあなたたちに近づいていき「しつこい」と注意しつつ、怒れることがあっても人を攻撃してはいけ
2020年5月29日 19:22
あなたとサイクリングをした帰りに、よく近所の神社に参拝していたことを覚えているかな?ぼくがあなたに1円玉とか10円玉を渡す。あなたはそれを賽銭箱に投げ入れ、がらがらを揺らし、一緒に二礼二拍一礼する。ぼくはそのときいつも同じことを祈っていました。「家族が無事に過ごせますように」と。そんなふうに幾度となく祈っていたくせに、ぼくはあまり「神様」という存在を信じていない。具体的にそのような存
2020年5月28日 20:01
さて、あなたはいま楽しくすごせているでしょうか?嫌なこととかないかな?嫌なことがまったくないなんてことはあり得ないだろうけど。たとえば、今日あなたが行ってきた場所はどうだったかな?嫌だったなとか、明日は行きたくないな、と思っているのかな?たとえばの話、学校が嫌だったとしてもできれば行った方がいいとは思うんだ。いろんな人間関係も経験できるし、あなたの人としての幅も、家で一人で居るよりは広が
2020年5月27日 21:28
あなたは縄跳びをしたりボールを投げたり取ったりする練習をしていて、うまくいかないと「もう、やめる」と言うことがある。うまくできないから恥ずかしくて嫌になる気持ちはとてもよくわかるよ。ぼくもプライドが高くて失敗を人に知られるのが嫌だったから。けどそこを少しだけ踏ん張っていままでの自分よりうまくなると、能力の上限を越えてみると、ひらけてくる景色があるんだ。焦らなくていい。じわじわと取り組めばい
2020年5月26日 21:21
強い弱いの話でも言ったけど、あなたは感情をコントロールできずに相手をねじ伏せようとする言い方になることがある。ぼくも含めて、世の中のおとなたちもよくそうなってしまう。あなたが実際にそんな言葉のやり取りをするのは子どもたち同士でわーわー言ってるときくらいなんだけど、同じようなことをおとな同士は日常的にやってしまっている。SNSの世界や職場の陰口で、おとながね。困ったもんだ。特にSNSなんか
2020年5月25日 21:31
眠くてぐずって泣いているあなたを抱っこしてゆする。そうやってあやしても泣きやまず辟易する。辟易しながらも、こうやって泣いているこの子をあやしてなだめることができるのはいつまでだろうと、思う。ぼくはいつまで、あなたの悲しみを直接包み込むことができるのだろう。いつかあなたがぼくの手から離れてぼくの力の及ばないところで悲しむようになってしまうくらいなら、いまこのうちに一生分の涙を流してしまってほ
2020年5月24日 19:54
お金の件で、まだ伝えていなかったことがあった。お金を稼ぐことについて。いまのところ、というのはぼくが生きているいまなんだけど、給料や賃金は労働の対価ということになっている。本当は必ずしもそうではないんだけど、少なくとも大多数の人にとっては労働の対価はお金だ。だけど労働がたいへんなほどその対価が多いというわけではない。スキルが必要な仕事ほどお金がたくさんもらえるわけでもない。身体を酷使
2020年5月23日 20:31
ある日、みんなでスーパーマーケットに行ったとき。ぼくはワインを買うために、売り場で立ったりしゃがんだりしてどれにしようか悩んでいた。「たまにはこれくらいが飲みたいけど、ちょっと高いかな…」とかぶつぶつ言っていたら、あなたが「お金、おうちに200円くらい入ってるおさいふがあるから、かえったらあげようか?」と言ってくれた。あなたはお金を大事にしていて、かつそれを自分が大切だと思うことに使おうと
2020年5月22日 20:21
ここまで何度も、あなたに向けて言葉を置いてきた。けれどぼくはずっと、うだうだと正論じみたことを言ってきた気がする。そうやってついつい正論(と自分が思うこと)を言いたくなってしまうのは、人間の性かもね。みっともなくてごめん。ぼくは本当は、常識や正論というものにうまく馴染めないんだけど。人から「いままでそうだったでしょ」とか「あたりまえでしょ」とか言われてそれをなぞるように指示されると、無
2020年5月21日 19:11
あなたはテレビでよく、正義の味方が悪い奴をやっつけるものを見ていた。「やあぁぁぁ」とかいうかけ声や、主人公の青年や少女が(ぼくからみると)格好をつけて斜に構えたような話し方をするのを、真似したりもしていた。わかるよ。ぼくも好きだった。そもそもそれらを見るようになったきっかけは、ぼくがそれらをつけ始めたせいだし。その影響か、あなたは普段から強い言葉を放つことが多い。ときには感情をコントロ
2020年5月20日 21:56
朝はテレビをつけてニュースをみるという習慣をもっている我が家。ぼくは毎朝、あなたを抱っこしたりおんぶしたりしてリビングに行く。そのあとテレビをつけて、朝食を食べる。液晶画面に眠たい目をやり、のんべんだらりと耳を傾けている。あなたもだいたいそんな感じ。そうやって家庭内や学校など身の回り以外の情報に触れることでなにかしらを学んでもらえれば、と思ってはいるのだが、やはりそこからだけではメディアリテ
2020年5月19日 19:01
あなたがとても小さい頃は、ちょっとしたことで怒ったかと思えばすぐにゲラゲラ笑ったりして、自然体でとても清々しかった。欲求に直球でいることって、こんなにすてきなんだと思った。そんなときに仕事で悩んでいる自分を省みると、そのおおもとには「嫌われたくない」「認められたい」「こうなりたい」という、自分や将来に対する過敏な意識があることに気づかされた。あなたのように自然体でいれば、毎日が清々しくて
2020年5月18日 18:03
ぼくは料理をするのが好きで、家にいるときはよく食事を作っていた。朝や昼のごはんであれば余っているものを適当に使って作るし、夜のごはんは食材を買い足したりしてそのとき食べたいものを作ることが多い。美味しくお酒を飲みたいからね。そうやってぼくが作った料理に対して、あなたはときどき文句を言う。特に野菜が入っているときには。はっきりと「やさいがいやだ」とは言わずに、「くちのなかがいたい」とか「ほ