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ことばと生き方──ことばに対するこだわり

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若い頃から「ことば」というものに興味があり、2001年から2018年まで“ことばのWeb”を主宰していた流れで書いた文章を集めています。
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2022年7月の記事一覧

【国語】立ったり座ったり問わなかったり

立ち振舞い一人ひとりの人間はそう簡単に変われないものですが、全体として人々の言葉は結構変わって行くものです。そういうわけで人間、いつの時代でも、年を取ってくると大体は若い人の言葉遣いが気に入らなくなったりするものです。 これは言葉遣いだけの問題ではなくて、「最近の若い者は…」という表現はすでにギリシャ・ローマ時代の文献にも書かれていたらしいですから。老人はずーっと不満なわけです(笑) 私もご多分に漏れず、新しい日本語のいろんな部分になんとなく違和感を覚えて、ここにもいくつ

おかごか

丁寧語のひとつに接頭語「御」があります。尊敬語や謙譲語としても使われるとても便利な接頭語なのですが、この漢字は「お」と読むべきか「ご」と読むべきか、時々悩むことがあります。 つまり、「お前」か「御前」か、「お骨折り」か「ご苦労」か、「お気がね」か「ご心配」か、「お詫び」か「御免」か、みたいなことです。 で、これはよく言われるようにやまと言葉の前に付く場合は「お」、漢語の前に付く場合は「ご」というふうに整理されます。もう一度上の例を確認していただくとよく分かると思います。