移住希望地が4年連続首位でも、転出する若者が多いのは問題です。
3月3日の朝日新聞デジタルに、「移住希望地、静岡県が4年連続首位 首都圏に近く 手厚い相談体制」という記事が出ています。
認定NPO法人「ふるさと回帰支援センター」による、地方の移住希望地ランキングで、2023年も静岡県が4年連続の首位になったという話題です。
「首都圏に近く、利便性が良いことで幅広い年代から人気がある」とのことで、「県が把握している移住者数は22年度に2634人になり、20年度の1398人からほぼ倍増した。新幹線の駅がある市や首都圏に近い県東部が人気で、20~40代が8割を超える」ということなのですが、一方で「23年の住民基本台帳人口移動報告によると、静岡県は転入者数が5万8742人に対し、転出者数が6万4896人になり、6154人の転出超過になった。進学や就職で転出する若者が多く、転出超過数は22年より1496人増えている」というのが現実で、転出超過で結局は人口が減っているわけです。
1月27日付け、朝日新聞デジタルに、「指定市最少人口の静岡市 人口減の要因は高い女性減少率と低い婚姻率」という記事があって、静岡市の人口が減少している、特に女性人口の減少率が高いのと婚姻率が低いということが話題になりましたが、若い女性が流出する原因について、若者の住みにくさや働きたい仕事がない、婚姻率が低い背景として、「若者が結婚や子育てを思い描けない」などがポイントとしてあがっていました。
今日の記事と合わせて考えてみると、県東部は20~40代の移住者が多いが、静岡市を中心とする県中部は若者、特に女性を中心に転出者が多く、その数は県東部に移住してくる人よりも多いということが言えそうです。
移住者は20~40代だということは、おそらく家族連れでの移住者で、自然が豊かで気候が暖かい静岡県で子育てをしようという人たちなのではないかと想像します。
しかし、県中部を中心とした地域の若者は、地元に適当な進学先や就職先がないので、それらを求めて、おそらく首都圏を中心に転出するのだろうと思います。若者にとって魅力がない街はダメでしょうね。特にそれが県庁所在地であり、政令指定都市である静岡市なのですから、やはり問題でしょう。
浜松市の方はよくわかりませんが、静岡県は東部、中部、西部とそれぞれ独自色が強いですが、やはり1つで静岡県なのですから、人口の配分も、うまく平均的になるように、そうしないと県としてバランスが悪くなり、いろいろ支障があるので、特に人口が減少している静岡市を何とかしないといけないでしょう。
県東部の利便性の良さとは、三島駅や新富士駅が新幹線こだまで約1時間という点だと思います。静岡駅もひかりで1時間なので、その点は変わりないのですが、基本的に1時間に1本なので、本数が少ないわけです。
それに関して、もしリニア新幹線が開通すれば、余裕が出る東海道新幹線は、静岡駅に発着する新幹線の本数が増やせるという話が出ているのですが、これって静岡市にとってはプラスに働くことは間違いないと思います。東京駅まで約1時間のひかりの本数が増えれば、ひかりで大学に通学したり、首都圏に通勤したりする人が増える可能性があり、転出数が減らせる可能性があるわけですが、新幹線の本数増加の可能性の足を引っ張っているのが知事なんですから、現状はどうしようもありませんね。
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