「反重力」は存在しない⁉「反物質」は重力で落ちる‼
9月28日の朝日新聞デジタルに、「90年以上の議論に決着 「反物質」は重力で落ちる? 浮く?」という記事が出ています。
「姿形は「物質」とうり二つだが、電気的な性質などが正反対の「反物質」は、重力によって落ちるのか、浮くのか」という「科学者らの間で90年以上続く議論に」決着がついたということです。
そもそも反物質とは、私たちの身の回りにある物質と対をなし、「ひとたび二つが出合うと、エネルギーを放ち、互いに消滅してしまう」という、「1928年に英国の物理学者ディラックが存在を予言し、32年に米国の物理学者アンダーソンが、電子の反物質「陽電子」を初めて見つけた」ものですが、「物質と出合えばすぐに消滅する反物質の性質を調べることは、至難の業」であり、「重力の影響は、多くの推測がなされてき」ました。それを「水素の反物質「反水素」で実験をした」のが、今回の成果です。
「物質と出合えばすぐに消滅する反物質」をどうやって調べるんだろうと、『nature』に掲載されている記事ネタの元の論文(”Observation of the effect of gravity on the motion of antimatter”)を見ましたが、非常に難しい(笑)。言わんとしていることは、ようは「反重力」が存在するのならば、「反水素」は重力にしたがって下に落ちないはずのところを、「約8割の反水素が下で消滅する」ということは、「反水素」が重力で落下しているということなので、「反重力」は存在しないという、一般相対性理論の予測と一致しているということです(合ってる?)。
下で消滅しない約2割は何なの?とか、「反水素」以外の「反物質」でも同じ結果になるの?とか、物質と反物質の斥力に依存する宇宙論モデルは間違いなの?などと、さらに疑問がわいてきますが、改めてアインシュタインの偉大さを認識したニュースでした。