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あまりに変数が多いこの世の中で、"風が吹けば桶屋が儲かる"をいかにデザインするか

"風が吹けば桶屋が儲かる"
"Butterfly effect"

どこの国であっても、ニュアンスに若干の差はあれど
同じような状態を形容する表現があるみたいだ。

今回は、この考え方に
自分なりの見解の纏めを試みる。

そもそも
"風が吹けば桶屋が儲かる"
とは、何事か

オーダーに従順なAIちゃん

現代人において
何点か理解に苦しむ論理があるが、

そもそもこの言い回しは
江戸時代の庶民文化の発展に伴って生まれたものらしい。

当時、失明した人が生計を立てるには
三味線や琴、マッサージなどの
視覚に頼らない技術を習得する必要があったようだ。
(『目に砂が入る→失明』の論理の飛躍も甚だしいけど)

まぁ、つまり
一見関係のないように見える事柄が、意外なところにも影響を及ぼすことを表している。


幼稚な表現になってしまうが、
私は、この考え方がとっても好きだ。

シンプルな論理構造で完結する考え方へのアレルギー反応

"あそび" や "余白"と呼んでもいい。

私はそれらが、"美しさ"につながると考えている。


以前、私が勤めている会社で
オフィスのゴミ箱が溢れるという問題が起きていた。
(今もたぶん起きてるけど)

清掃員さんは既に雇用していて
1日に何度か、オフィスのゴミ回収を含めた清掃活動を実施してくれている。

ただ、当時の運用方法では
どうしてもゴミ箱が溢れてしまうということが多発していた。

ゴミ袋を新しいものに変えるなど、
出社している社員が対応することも もちろんあるのだが、
それらが、特定の社員に集中していたり
明らかに溢れているのにもかかわらず、ゴミを詰め込む行為が起こっていた。

そんな状況を踏まえ、
社内のいたるところで様々な発信が散見されたので
私がこの問題を解決しようと思い立った。

且つ、この問題をただ解決するのではなく
費用をできるだけ抑えながら解決するそのプロセスで
「どうせなら、オフィスで働く社員の気持ちを
ほんのちょっとだけいい方向に導けないか?」
と考えた。

ディテールは割愛するが、
ざっくり私のアイデアをサマると
・蓋付きのゴミ箱にする
・社長のフィギュアをつくり、蓋の上に置く
これだけである。

つまり、
ゴミ箱のキャパシティをオーバーしているかどうかを一目瞭然にしよう、と。
(オーバーした場合、社長のフィギュアが倒れる)

溢れんばかりのゴミ箱に詰め込むインセンティブよりも
社長のフィギュアが倒れないかを確認しながら詰め込むその様を、同僚に晒しながら行う
みっともなさが勝るようにデザインしようと考えた。

仮に、社長のフィギュアが転がり落ちても
なんとも思わない社員が多いようであれば、
それは、従業員の社長に対するリスペクトを反映していると言っても過言ではない(?)。

つまり、それは
もはやゴミ箱が溢れることが問題ではない。

イケてない社長が問題だ。
(その世界線も見たかった…!)

まぁ、私が何をしたかったかと言うと
『ゴミが溢れる→お金をかけて清掃員を増やす』
のような
あまりに当たり前で、色彩のない手法で解決しても
全然ワクワクしないのだ。

一従業員として、
そんなワクワクしない会社にしたくなかった。

まあ、現実はそううまくいかない

否決。

私のアイデアは、総務に丁重にお断りされた。

まぁ、そりゃそうだ

そんなこと考えて、試してる暇なんてないだろうし
職種に求められる役割とは全く異なることに時間を割かせるほど
本来は、私にも暇はないはずだからね。

分かりました。
求められたことだけに従事することにします(涙)

結局、
私の交渉力の弱さ故、実現には至らなかった。

あまりに変数が多い、この世の中だけど

VUCAの時代、とも言われている。
※Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)

変数が多ければ多いほど、予測は難しくなるのは当然。

風が吹けば、目に砂が入るのも当然。


予測が難しい世の中だからって、
そんなシンプルな論理構造だけで生きるなんて
あまりにつまらないじゃないか

変動性が高くて、複雑で曖昧な世の中だからこそ
どうにか"美しさ"だけを携えて、
桶屋が儲かることを願って、主体的に風を起こしにいきたい。

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