岡山へ:おかやま文学フェスティバル
ここ数日で気温はぐんぐん上昇、春めいた日差しに目を細めつつ、岡山までお出かけを。一泊二日、太陽光を浴びまくった。
岡山へは、およそ10年ぶりくらいの来訪。今回の旅のお目当ては「おかやま文学フェスティバル」。岡山県は文学創造都市としてユネスコ創造都市ネットワークに加盟し、「文学による心豊かなまちづくり」に取り組んでいるそう。めっちゃ、ええやんですね。
およそ一か月をかけてさまざまなイベントが開催されていたのだけど、3月11日・12日に開催されたおかやま文芸小学校にのみ参加。想像より規模が大きくて、大満足なイベントだった!
(Twitterでおかやま表町ブックストリートのようすを見たけど、とても楽しそうだった。行きたかったな。)
会場とされていたのは旧内山下小学校。イベントは11時からだったので、その前に岡山城へ足を延ばし、歩いて5,6分ほどで会場に到着。もう使われていない小学校の校舎らしく、門構えから、校舎の感じから、植えられている大きなソテツから、なんとも懐かしい感じ。イベント開始の10分前ごろに到着したのだけど、すでに少し列ができていた。スタッフのおじさんが「もうちょっと待ってくださいね、今本を並べてますから」と、ゆる~いアナウンスを。ドキドキしながら待機し、いざ開場。
ひんやりした廊下とか、教室とか、低い手洗い場とか、懐かしくて会場内を歩いているだけで楽しい。後から付けられたものなのかな、ステンドグラスがはめ込まれていたり。なんか、母校の文化祭に来た感じだった。
各教室で出版社や書店がブースを出していたり、活版や製本といった体験教室、映画の上映など。1Fの中庭にはコーヒーやフード店が出店。など、実に盛りだくさん。すごい、すごい。
楽しみにしていた出版社ブースの一つ目が、韓国の出版社・夜明けの猫さん。国外からは唯一の出店。(もっと国外の出版社さん呼んで欲しい!)日本の近代文学を韓国語に翻訳したシリーズを出版されていて、どれも装丁が素敵…。シンプルゆえにハングルの、カクカクッとした感じが引き立っているというか。渋い、かっこいい。
山川方夫『歪んだ窓』の韓国語訳を購入。まだ韓国語は勉強中なので読めないけど、はやく読めるようになりたいから、勉強がんばろう。
あと、オーディオブックも購入。映像とともに音声が流れ、旅をしている気分になれるそう。韓国の広州(Gongju)への旅を買った。あとは広島と小倉への旅があったかな。映像が4月にオープンするとのことで、それまでは開封せずにワクワクしながら待っていよう。
韓国に来ることがあればお店に来てください、と可愛い猫ちゃんのショップカードをもらった。お店はソウルにあるらしい。行きたい~、行きます。韓国の本屋さん、雑誌などで見かけたりするけど、内装から書棚からセンスが良すぎてめっちゃ素敵。韓国に書店めぐりしに行きたい。
(*夜明けの猫 Instagram→@a_cat_at_dawn)
そしてもう一つ楽しみにしていたブースが福岡県の書肆侃侃房。韓国文学やら、短歌関連の書籍を多く出されていて、note(web侃づめ)の連載も面白い。ブースの方々がめっちゃ明るく対応してくださり、楽しかった。ずっと買おうか迷っていた『佐川ちか全集』を、結局購入。一つ一つが短いから、寝る前とかにパラッと開いたページを読むのもいいですよ、と助言をいただく。でもまずは、前から順番に読んでいこうかな。実際に本を作った方々から直接買うことができるなんて、なんて貴重な経験なんだ。
隣りに置いてあったハン・ジョンウォン『詩と散策』も気になっていた一冊。ああ、どうしよう欲しい、と思いつつも、今回はあきらめた。いやはや、ほんとに素晴らしい本をどんどこ出してくださる出版社さん。新刊情報をいつも楽しみに待っている。福岡の本のあるところajiroにも、いつか必ず行きたい。
あとは夏葉社さんや、1Fにある本屋さんゾーンもじっくり徘徊。いろんな地域に、いろんな本屋さんがあるのだな、とうれしくなった。最後は中庭のフードエリアで文豪珈琲を。
どんなに暑くても、熱々の珈琲は美味しい。
豊作すぎたイベントでした。連れて帰った本たちは、これから大切に読んでいきます。ありがとう、岡山!
追記:
文豪珈琲を買ったお店で売っていたスケキヨクッキー。岡山県は横溝正史ゆかりの地ということで。人型のクッキーで、顔部分に白いアイシングがかけてあるシンプルなもの。アイデア勝ちやな。横溝正史好きの父にお土産ということで、母が購入。今度父に会ったら感想を聞かねば。