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就職氷河期世代のママの多くが正社員という不思議

私はギリギリ就職氷河期世代だ。
そして、ギリギリ、世間がバブリーな空気感とそのバブルが弾けた空気感を幼ながらになんとな〜く感じた世代でもある。

私の子どもの頃の周りのママは、
ほとんどが20代からずっと専業主婦をしている。
働いていても家業かパート。
正社員の人は珍しい。

この世代の女性は、結婚適齢期をクリスマスケーキに例えられていたらしい。
寿退社で25歳前後に子どもを2人前後授かり、専業主婦になることが王道だったそうだ。
おそらく現代よりも子育てへの補助金や保育料無償化などといった行政の働きかけの乏しい時代に、夫のみの稼ぎで幼稚園代やら学費に加え、習い事も塾代も払え、大学にも子ども2人を行かせられる家庭は普通にあったと…個人的な感覚だけど、そうであったと言える。

今のママたちは、就職氷河期世代の人たちがまだまだ多くを占めているのではないだろうか。
それなのに、ママはみんな働いていて、早朝から夜まで毎日保育園に通う子も普通になった。
正社員で立派なキャリアを築いている同世代や少し上世代のママたちの方も多い。

実は私は就職をしたことがない。

就職氷河期世代でなければ適当にどこかへ正社員として雇われたのかもしれないが、色々思うことがあったことと鬱状態であったことから就活はそこそこに、アルバイトとして雇われる道を選んだ。
その2〜3年後に色々回復して就職先を探そうにも、社会的にはその道はほぼ閉ざされていて、探せばあると言う人はいてもどこをどう探すのかを助けてくれそうな雰囲気はどこからも感じ取ることすらできず、でも、社会の闇の部分は色々とヒシヒシと身に染みるように感じ、それでも闇に堕ちないように踏ん張って生き抜いた。

新卒で就職できなかったことを、私は就職氷河期のせいとは思っていない。
思っていないが、それが内心密かに言い訳にできる気さえしてしまっている部分がほんの少しだけあったりもする。

就職したくなかった理由は、
私が組織の中で生きることにすでに疲れ切っていたから。幼稚園の時にすでに友だちみんなと仲良く遊ばなければいけないような雰囲気に疑問を抱きながらも空気を読んで大学まで行き続けたものだから、もう心は瀕死状態だったのだ。だから、この先も組織の中で1日の大半を過ごす日々を、しかも、一生続けるのかと思うと絶望すら感じた。

そんな私も、親の脛をかじって生きるのは御免だったのでフルタイムでアルバイトに勤しんだ。
時代的にはフリーターは普通にいたので変に浮かずに済んで助かった。職場はほぼバイトで成り立っていた。

それなのに、ママになった途端、周りはみんな就職経験有りなだけではない。
現在も正社員として働いているとか、復職予定だとか、そんな人ばかりなのだ。

子育てとの両立が大変だとか、子どもの相手してると仕事が捗らないだとか、子どもともっと一緒に過ごしたいのに仕事がぁ…だなどという愚痴とか悩みとかが聞こえまくりだ。

私からしたら、
「そりゃあどちらも余裕で同時進行出来るわけないよね…」
と内心思うのだけど血迷ってもそんなことは口に出さないのが身のためだ。

「じゃあ、なんで2人目まで作ったの?」
「あんなこと言ってたのに、3人目!?」

なんて思うことも度々あるけれど、それも決して口には出せない。

そもそも父親1人の稼ぎで家計をやりくりできるくらいの収入がある家庭は今の時代でも珍しくはないはずだ。

「そんなに大変なら、仕事辞めれて家事育児に専念すればいいのに」

なんてことも思うのだけど、やはり絶対に口にしてはいけないと心得ている。

でもやはり不思議なのだ。
なぜ就職氷河期世代のママたちが社員として普通に働いている人が多くて、専業主婦が絶滅危惧種レベルに少ないのか。

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