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黄帝内経〜今月の読書〜

東洋医学の基礎となる養生本です。
師匠の黄帝と弟子との問答形式で、思想・養生が記された古典の名著です。
「素問」「霊枢」の二部構成。

天人感応図表(天人相関説)
 ・人と自然の対応関係を記した図
 ・人の行いが自然現象に影響を与える
 ・人と自然の対応関係を記した図
(天人合一とは少し異なります)


自然の流れと人の生活養生

春「発生」夏「生長」秋「収斂」冬「閉蔵」に沿った生活をすることで、健やかに生活できることをわかりやすく解説しています。
また不摂生したときに出る症状も記載されていて、昔の人の観察力の高さに驚かされます。

「気」の仕組みや特徴がイラストを交えて説明されています。
一つ紹介すると、陽気は精神や筋肉の機能を養います。が寒気が皮膚から入り込んで、寒気が筋肉にこもると、筋肉が陽気の養いが入ることができず、背中が曲がってしまう。
また寒気が深く入り血脈に入ると血の流れが滞り、痔になる。
さらに寒気が経絡を通り、臓腑に入ると恐怖症になる。
寒気の影響で、栄気(栄養を運ぶ働きのある気)は肌肉にこもると腫れ物ができる。
そして疲れが加わると、寒がりになったり発熱が起こる。

こんな風に陽気と陰気について、優しく書かれています。


勇者と弱虫の違いについて

勇者・・・痛みに強い者が多く、困難や死・痛みを恐れない
弱虫・・・痛みに弱い者が多く、困難・痛みを恐れる
同じ人間なのにどうして?
痛みだけでは比較の対象にならず、もっと他を観察すると
勇者は、筋肉隆盛、心端正、肝が剛健、胆が充実
怒ると胸を張り、肝気がみなぎり、胆気が溢れる。
目は大きく裂けて、毛は逆立ち、顔色は青くなる。
(漫画で書くとイメージしやすいですね)
一方、弱虫は、驚いたように目が丸く、光彩がなく、目玉の動きが鈍い。
胸腹部は縦皺が多く、胸郭が軟弱。胆にハリがなく、胃腸が下垂
怒っても怒る気は、胸に満ちることはなく、一時的に上昇するけれど、すぐに萎える。
弱虫がお酒を飲むと気が大きくなるのは、酒は猛烈に上昇し強い者なので、胃に入ると、胃が膨らんで、気をあげて胸いっぱいに満たす。肝気は盛り上がって、胆気も一時的に充実する。
とこうなると弱虫も一時的に勇者のようになる。
なんだか、面白い考え方で心が和みながらも、なぜか納得してしまいます。


それぞれの章に納得してしまい、養生の大切さを知ることができる一冊です。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。

ワンダフルな1日を過ごしましょう🎵


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