TBSドラマ「俺の家の話」にまみえる、家族介護の現実とすゝめ
こんにちは〜。ソーシャルビジネスドライブとして社会起業家の事業伴走に取り組んでいるやくわです。
最近は家でマカダミアナッツフレーバーのコーヒーを飲みながら仕事をしています。仕事がはかどりますし、ハワイアンな気分でお家時間が贅沢なものにかわっちゃいますよ。
さて、今回は昨日から始まったTBSの新ドラマ「俺の家の話」から家族の介護の注意点について書いていきたいと思います。
私は、以前より企業での介護コンサルティングを行っている「NPO法人となりのかいご」のマーケティングやPRをお手伝いをしています。その中で、様々な事例や情報の発信を行っていましたのでそんな観点から今回、「介護の注意点」に関して綴っていきたいと思います。
家族介護の注意点・今回の結論
早速ですが今日も結論からはじめていきたいと思います。ドラマをみてもやはり、感じたことでもありますが、家族介護の注意点とは、やはり以下のような点である、ということです。
・愛情があるからこそ介護はプロ(外部委託)に任せるべき
・家族はケアマネージャーと共に介護をマネジメント。プレイヤーは介護職
・したがって遠距離でも十分な介護は可能
・介護の入り口は匿名相談も可能な地域包括支援センターから
ちなみに、これらのことは企業などで介護支援コンサルティングを行っているNPO法人となりのかいご さんからアドバイスを頂いた内容でもあります。
ドラマ「俺の家の話」のあらすじ
さてさて、結論の解説の前に昨日(2021/01/22)から始まったドラマ「俺の家の話」を見ていない人のためにもあらすじをご紹介していきますね。
忙しい方向けのあらすじ・詳しく知りたい方向けのあらすじの2つを用意してみたので読んでみて下さい。
<忙しい方向けのあらすじ>
・長瀬くんはプロレスラー。実家は能楽一家。放蕩息子。
・西田さんは能楽の保持者で人間国宝。脳梗塞で倒れ介護が必要に
・新米ヘルパーの戸田恵梨香さんが家に来て一緒にをすることに
<あらすじ>
プロレスラーブリザード寿こと観山寿一(長瀬智也)は、自分の家族について思いを馳せていた。
寿一は幼少時代、重要無形文化財「能楽」の保持者である父の観山寿三郎(西田敏行)から一度も怒られたことがなかった。一緒に悪さをしても、怒られるのは弟子で芸養子となった寿限無(桐谷健太)のみ。
<中略>
さらに時は流れて現在。ピークを過ぎたレスラーとなった寿一の元に寿三郎危篤の知らせが飛び込んできた。急いで病院に駆け込んだ寿一は、久しぶりに会った弟の踊介(永山絢斗)と妹の舞(江口のりこ)から、一昨年に寿三郎が脳梗塞で倒れたことを聞かされる。
引退試合を終えた寿一を待っていたのは、寿三郎が退院したという知らせだった。一門の幹部、そして家族を前に、これまでの威厳はどこへやら、デイケアサービスで寿三郎の担当ヘルパーだった志田さくら(戸田恵梨香)と結婚すると言い出した寿三郎。呆気にとられる寿一ら家族を余所に、自身の余命とすべての遺産をさくらに相続すると告げ・・・!?
〜俺の家の話 あらすじより(HP参照)〜
息子だから介護ができない
実は私が昨日一番印象に残っているシーンでこんなシーンがありました。
<シーン>
・ヘルパーさんと入浴介護をする長瀬くん
・自分の父の足を洗おうとするが、色んな想いがこみ上げ足に触れない
・「息子だからできねぇんだよ」と長瀬くん。その場はヘルパーさん(戸田恵梨香さん)がバトンタッチ
このシーン、家族が介護できないことを象徴するシーンだと思います。家族が介護ができないという理由に論理的な理由もきっとあるのでしょうが、あまりに色んな思いが交錯してできないのだと思いました。
家族が直接的に家族介護ができない理由はこれです!と論理的に述べるのもきっとそれはそれで正しいのだと思いますが、論理的に述べれば述べるほど、その背後にある個別の複雑性を排除してしまう気がしますのでここでは割愛しようと思います。
ちなみにですが、介護専門職の介護福祉士、ケアマネージャーなどの方でも「プロであっても自分の家族介護はできない、やるべきでない」と学ぶのだそうです。
このようなことが専門職の中で言われているので、あれば一般の私たちもできるわけはないというのは明白なことのようにも感じてしまいます。
まさしく
・愛情があるからこそ介護はプロ(外部委託)に任せるべき
と言えそうです。
高齢の親の変化を受け入れられない子どもたち
さて、さらに愛情があるからこそ介護はプロ(外部委託)に任せるべきということを裏付けられそうなシーンがもう一つありました。
それは介護認定(要支援〜要介護の度合い)を判定するシーンでした。
<シーン>
・介護専門職から診断テストを受ける西田さんと長瀬くんの息子(設定では、LD(学習障害)がある)
・紙に好きな数字を書いてくださいと言われ数字を記入し裏返す
・その後介護専門職から野菜を言えるだけ行って下さいと指示をされる
・野菜を1,2言った所で言葉がでない西田さん。そうするうちに専門職から紙に書いた数字はなんだっか質問されるのもそれにも答えられない
・子どもたちは、これまで父親は従来通り”ふつう”だと思っていたが、父のあまりの変化に呆然とする
・要介護1という認定を受ける
このシーンの最終部分、これまで「子どもたちは、これまで父親は従来通り”ふつう”だと思っていたが、父のあまりの変化に呆然とする」という箇所、この箇所に実の親の変化の受け入れがたさが表現されていたと思っています。
特に、人間国宝で威厳があり、自分たちを厳しく育てた父親が、自分で歩けず、風呂にも入れず、野菜も言えず、数分前に書いた数字も忘れる。そんでもって、「しくよろめーん!」などとわけのわからないことをいっている。
あまりの変わりぶりに、周りはついていけなくて当然です。子供にとっては、大小あれど信頼していた唯一の親。そんな変化を「悲しみ」「怒り」が変わっていくそんな姿を連想してしまいます。
そんな「悲しみ」「怒り」を抱えて、よりよく過ごせるように「介護」をする。それはあまりにも難しすぎることですね。
・愛情があるからこそ介護はプロ(外部委託)に任せるべき
やはりそうなんだと思います。
家族での介護は虐待に繋がることも
とても意外に思う方もいるかも知れませんが、「高齢者虐待」の問題は年々増えています。
なんとですが1年間のうち「虐待」の判断をされる件数は、16,928件あり
そのうち
息子が虐待するケースは7,409件(全体の40.2%)
娘が虐待するケース3,280件(全体の17.8%)
夫が虐待するケース3930件(全体の21.3%)
そのうち虐待によって亡くなってしまう方は15名いるというのです。
(出展)令和元年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果
少子高齢化が進み続けている社会の中で介護を逆にプロにお願いしないとこの虐待の件数はどんどん増えていってしまうのではないでしょうか。
介護離職をしなくても、遠距離でも介護はできる
高齢者の虐待は年々増加しているわけですが、虐待をしたくてしているわけではないはずです。
少なからず、親へ知らない人の手ではなく、子供の手で介護をしてあげたい。慣れ親しんだ愛着のある家(35年ローンも終えれた人はなおさら)で最期まで過ごさせてあげたい。そんな気持ちを抱いている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
でもだからこそ、介護はプロに任せませんか。
介護はプロに、家族は愛情を。そんな切り分けをしてみませんか?
冒頭にも述べたように、介護をプロに任せ、家族はマネージャーとなることでより高齢の親に愛情表現がしやすくなりますし、これまで住んでいた場所を変えずとも介護に取り組むことは可能です。
また、焦らず介護に対処することが大事です。介護を取り組む前に地域包括支援センターに相談しましょう。専門職の方に相談ができるセンターで、「市区町村名・地域包括支援センター」で検索するとお近くのセンターがヒットしますよ。
<冒頭に述べた結論>
・家族はケアマネージャーと共に介護をマネジメント。プレイヤーは介護職
・したがって遠距離でも十分な介護は可能
・介護の入り口は匿名相談も可能な地域包括支援センターから
介護に関しては、ぜひフラットな情報収集を
すでに、介護をしている方、これから介護について考える方はぜひフラットな情報収集をおすすめします。
介護サービスを提供している所に相談をするとどうしても情報に偏りが発生しよりよい選択肢に気づけない可能性があります。
冒頭にご紹介したNPO法人となりのかいごでは、無料のオンラインセミナー「コロナで、高齢の親と離れていても仕事を辞めずに介護をする方法」というセミナーも開催していますよ。
それでは今回は以上になります。マカダミアナッツコーヒーで素敵なブレイクタイムをお過ごしくださいね〜。
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