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畑の春

不耕起に取り組み続けているので、雪がとけたばかり春一番の姿でも土がすっかり露出している場所が少ない畑の景色となります。

先日の八雲は南西風が強く吹いてPM2.5の霞む空でしたが、畑の土はしっかりとカバーされているので表土が風で飛ばされることもありません。北海道では露地野菜の植付けがまだ行われていないこの時期、強い風が吹くと砂埃が立つ畑をよく見かけます。生命感があまり感じられないそうした畑は一応にしてまめにトラクターで秋起こしをしたり、これから春の耕起をしたり、除草剤によって綺麗に雑草がないことがほとんどです。しっかりとカバーして不耕起を続けていると土に持続性が出てくるので、土壌微生物は住み心地が良いのでしょう、ふかふかの土へと変わっていくのですが。。

大規模な機械を必要としない。

そんな懐かしくて新しい農業の未来が見えてきました。

土がすっかりと見えていると炭素の排出量が多くなります。特に耕起後に一気に土中の炭素が排出され、それを示すように地球上の炭素濃度は春(耕起するシーズン)が一年でもっとも高くなります。農地は世界の陸地面積の約4割を占め、気候変動を引き起こしている炭素排出量の約25%が農業由来と言われます。

土壌はたくさんの炭素を地中に留めることが出来ます。
土の中に含まれる炭素量は大気中にCO2として存在する炭素量に比べて2~3倍も多いので、農業の環境に対する役割は大きく、いかに気候危機を改善するかという一つの鍵を担っています。農家一人一人の役割は決して小さいものではないのですが、、その点はほとんど気に留める農家が日本ではまだまだ少ないのが現状です。

一方で今、世界では盛んにリジェネラティブ農業(環境再生型農業)が注目されているのも頷けます。それは土壌をただ健康的に保つというだけではなく、土壌を修復、改善しながら自然環境の回復にも繋げることを目指す農業の新しい形です。

小規模農家が世界を変えると信念を持ち行動を起こしている農家もいるので心強く思いますし、実際に不耕起を実践している農家が増えているのも実感しています。
私たち農園の面積は1町4反(1.4ha)。夫婦2人にしては十分な面積とはいえ、八雲町の全耕作面積のわずか0.02パーセント。とてもとても小さな試みなのかも知れません。それでも信念を持ちこの一点を始まりとして、ここからを起点として道南でも広がっていけたら良いと思い続けています。

私たちの畑も全てが不耕起というわけではありませんし、省耕起でも意義深いと思っています。何れにしても続けることに意味があります。

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