![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/138749563/rectangle_large_type_2_ba06af25676726b5a2c4c32420adc7d3.jpeg?width=1200)
所在調査
世の中には様々な意味での所在調査がある。
一般庶民的な感覚で所在調査と聞くと人探し?などと思うかもしれないが、私的なものもあれば公的な所在調査もある。
具体的には損害賠償請求、各種未払い請求、財産開示手続き申立、所有権移転登記手続請求、遺産分割申立、そして未納の租税公課などその他いろいろ、相手当事者の所在を押さえる必要があるときである。追い込みするにも、訴訟などを起こすにも相手方の所在が分かっている必要があるからだ。
どうしても相手方の所在が分からない場合で訴訟提起したい場合は、裁判所が公示送達(相手方の住所や居所が不明であっても、法的に送達したものとする最終手段の手続き)をすることがあるが、その前提として相手方が所在不明であることの立証を申立て側がしなければならず、調査報告書を作って裁判所に提出する必要がある。
公的な所在調査だと「入札」で仕事を請け負う形になり、フリーターの私はスポットでそのような仕事の依頼を受けることもある。調査の仕方は勿論ここに書くことはできないが、決してアヤシイ仕事ではなく、殊のほか社会的で重要な仕事となる。
しかし事が事なので、机の前に座っていて出来る仕事でも、パソコン等で出来る仕事でもなく、身体と足と頭(分析力、調査力、人間力そして判断力など)を使って行う泥臭い仕事であるが、誰かがしなければならない(社会的には)意義のある汚れ仕事だと思う。おそらくAIでは出来ない仕事であろう。
AIは誰でも分かる情報収集や、大量データの整理・分析と予測などは出来ても、泥臭い現場調査は人間でしか出来ないと思うので、逆に情報社会になればなるほど、情報(真偽かまわず)に振り回されるネットワーク社会になればなるほど、地上に蠢く人間を突き止めるのは、最後は人間の手が必要になるだろう。
・・・などど、如何にもカッコ良さそうなことを書いてしまったが、コツを掴んでいれば誰にでもできる、ハローワークにもスポットワークにも絶対に載らない隙間仕事である。
強いて言うなら法的な知識を使う仕事の経験があれば調査のコツは掴みやすいかもしれない。とは言っても、弁護士などの法曹界の仕事とか、警視庁や警察庁管轄の仕事だとベストだろうが、実際はそこまで行かなくても構わない。
具体的に言えば不動産業、損害保険業、公務員、企業の総務部・・・などの仕事の経験が正社員フルタイムで3年以上やって来た人なら、調査の仕事は簡単にできると感覚的に思える。
フィールドワークが嫌いでない学校教員でも出来るだろう。もちろん家庭の主婦でも、子育て中のママさんパパさんも、ニートやフリーターにでも色々と機転が利く人なら出来る。社会経験の豊富な高齢者にはもってこいの社会貢献仕事かもしれない。
ともあれ、世の中には色々な仕事が溢れており、社会は誰かの仕事で成り立っているものである。そして社会に必要とされているが泥臭い仕事ほど、現在のAIには出来ない仕事である。
#note #エッセイ #高齢者 #フリーター #役立たず
【記】やく・たたず(屋久 佇(竚))