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所在調査#2

私は弁護士法人の職員(実際は兼業の業務委託)として、役所や弁護士や債権回収会社などからの依頼に応じて所在調査に出かけることがある。調査対象者は日本人よりも外国人の所在調査が多い。

中国人は昔から色々なシンジケートを持っているので、所在調査をすると様々な繋がりが見えてくることになる。たとえば住民票上は某マンションの某号室になっている対象者であるが、その住居に行ってみると、そこは倉庫で人が居住していなかった。

調査は外的観察だけで行うのではなく、周囲への聞き込みをしながら調査する。その意味ではコソコソ調べるのではなく堂々と調べる方が良い場合もある。

実際にあったことだが、対象者の部屋に行きチャイムを押していると巡回の管理人がやってきて「何しているのか?」と話しかけて来る。それ以前に、最近はチンケなマンションでもオートロックになっていることが多いので、建物の中に入るにも管理人を取り込むことは大切になってくる。

こちらの身分を明らかにすれば、意外と管理人は個人情報を言ってくれるのでありがたい。こちらの姿勢によっては非常に協力的な管理人や大家も多いので表面上の調査や推測に陥ることなく実に助かるものだ。こんなところが、いわゆる探偵や興信所などのマル秘活動とは違う公活動となる。

話は戻って、調査対象者の部屋が倉庫であると言うので借主は誰か?と尋ねると、管理人は中国人の話をしだし、インバウンド系のホテルに案内してくれた。どうやらそこのホテルが外部倉庫として使っているようであった。日本製品の違法な輸出などもやっているような感もあったが、こちらは事件を追っているのではなく或る人物の所在を追っているだけなので、関係のないことにはタッチしない。

あるいは、相続人としての所在調査の仕事もあった。遺産相続は死亡や失踪でもしていない限り、すべての相続人の意向調査をしなければ、仮に僅かな遺産であったとしても遺産分割ができない。

相続人の一人とされる人物を追っていったところ、そこはゴミ屋敷になっていた。家のドアも開けっ放しで鍵もかかっていない。死んでいるのではないかとも思ったが部屋の中には人の気配がなく、カーテンもあけられており明るいのだが、空のペットボトルや弁当箱、大きな多くのゴミ袋、書類などですべて埋まっているゴミ屋敷になっていた。

電気は通じていたようなので、とりあえず不在なだけで生きてはいるのだろう。隣近所の人も不在の人ばかりで、田舎と違って調査に協力してくれそうな第三者は少ない。でも、当事者宛の郵便物もあったので、付郵便送達はできるだろう。

あるいは債権回収会社に追われているにも関わらず、家賃20万程度のマンションに住んでいる外国人もいた。日本人の殆どは子供でもいない限り表札も、郵便受けにも名前を出さない人が多いが、外国人は意外と名前を出している人が多く、会って話をすれば気軽に話をしてくれる場合も多い。

もっとも、表札を出していなくても色々な調べ方もあるので、不正なことをやりながら逃げ続けることは簡単ではないのだが、追いかけられている人は意外とのほほんと暮らしている場合も多い。
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【記】やく・たたず(屋久 佇(竚))

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