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気持ちよく自転車に乗るために

 突然ですが、私は数年前に自転車に乗ることを辞めました。正確には自分の自転車を持つことを辞めたと言うべきでしょうか。

 自転車は近くのお店や駅などに行くときにサクッと乗って出かけられるのでとても便利なのですが、お酒を飲んだ帰りに駅から乗って帰れなかったり、突然雨が降ったりしたときに傘をさして乗れないなど、規制が厳しくなったことでメリットをあまり感じられなくなったんです。

 加えて、もともと私は歩きながらポッドキャストを聞いたり、ポケモンGoに代表されるいわゆる位置ゲーをプレイしたり、移動中になにか別のことをしたい人なので、自転車に乗るとかなりのことが同時にできなくなることも大きな要因でありました。

 面白いことに自転車に乗ることを諦めると、自分が乗っていたときに気づかなかった運転マナーの良し悪しに気づくようになりました。例えば、自転車は車道優先かつ左側走行で歩道を走るときは車道側を走るのが基本なのですが、狭い歩道の右側を走っている人も多く見られます。

 また、歩道は歩行者優先ですが、歩道をそこそこのスピードで走っている人も多く、歩いていると結構な頻度で怖い思いをします。

 かくいう私も自転車に乗るのを辞めたとはいえ、いわゆるドコモの赤チャリやハローサイクリングなどといったシェアサイクルは便利なのでよく使わせてもらっています。なので、自転車に乗るときは意識して車道を走ったり、バイクに乗る感覚で停止線で止まったりしているのですが、これを頻繁に繰り返すとなると非常に面倒ですし、交通量の多いところでは歩道が狭くても歩道を使いたくなります。

 最近では自転車専用レーンも整備されてきましたが、歩行者、自動車やバイク、そして自転車が安心安全に共生ししてくためには、交通ルールの徹底化が必要だと考えています(おそらく多くの人が同じように思っているはず)。どのようなケースのときにどう走っていいかが皆よくわかっていないというのが実情のように感じるので、正しいルールをきちんと理解するのが先決だと思うのです。

 交通ルールの徹底化には、分析のためにまず現状自転車がどのように使われているか(走っているか)を把握する必要があると思うのですが、前述したシェアサイクルはいずれもバッテリーとGPSを内蔵しているため、走行データも取りやすいのではないかと思います。

 もちろんハードルはたくさんあります。例えば、現状のGPSは主に返却時のステーションの位置だけ取れれば良いので、バッテリー消耗を考えても返却時に一回、位置特定する程度の機能ではないかと思っています。そのため、いくらGPSを積んでいると言っても何度も位置を取るためには、専用の電力消費の少ないGPSが必要になるでしょう。また、自転車の走行位置を知るには道路の右側、左側は当然のこと、歩道を走っているのか、車道を走っているのかなど精度の高い位置捕捉が求められます。これも大きな障壁です。

 ただ、最近はみちびきなど誤差数センチの精度の高い衛星を利用する方法もありますし、Android端末でも以下の記事のようにGPS精度はかなり高められるようです。

 しかしながら、シェアサイクル業者がそれなりの設備を投入するにはやはりハードルが高いので、国土交通省なり国の管轄機関が資本を投じてシェアサイクルで位置データを取れるように取り計らってもらう必要があると思います。

 言いかえれば、国土交通省なりが本腰を入れて、新しく販売する自転車すべてに位置捕捉が可能な機能を組み込むことを義務化すればよいとも思うのですが、そこまで言ってしまうとプライバシーの問題とか面倒になりそうなので、なんとかシェアサイクルからスタートできないものかと思ってしまうのです。

 それによって自転車と自動車やバイク、そして歩行者が安心して歩ける未来が築ければ社会的にも、特に私個人として嬉しいんですけどね(笑)。

Photo by Emanuel Kionke on Unsplash

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