【詩】 秋生まれ
23の秋に死にそこなったと思ってた
そこから始まったんだねと誰かが言う
目覚めなければ死んでいた日を
私の2番目の誕生日と母が呼ぶ
車の事故のニュースを聞くと
生きててすみませんと思えた
たいていは皆助からないのに
生き残ったのが申し訳なくて
何年も何年も後の
北米で見上げる空
チューリップトゥリーが樫がイチョウが
赤や黄色やだいだい色で秋を創っている
天に広がるパレットで
かかれた絵画のように
何かをするために生かされたんだよ
ささやき声をかけてくれる人がいる
書くことがあるから生かされたんだよと
それがほんとうになればいい
そんな風に年とっていけたら
秋生まれ
この季節に生を受け
私生きててよかった