【詩】 骨拾い #ブラックポエムフライデー
不謹慎な表現あり、です。ブラックポエムフライデーに参加しています。
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「骨拾い」
丸焼けのローストファーザー
実はなく さながら標本骸骨
これから旅に出られます
係の人の声で支度始まる
無事にたどり着けるよう
脚から入れていきますと
父の骨を箸で拾い 送り出す
箸から箸へ 落とさぬように
甥が緊張して うっかりしませんように
おとうさんに「コリャ」とか言われそう
丈夫でしたなあ 脚が
骨がしっかりされとる
係の人に母がこたえる
畑をしとりましたから
大きくてこのままじゃ入りませんから
と 係の人は ズガイコツを箸で押す
やわらかい ひしゃげる音がし
頭は形をなくし かけらになる
一杯になった骨壷
ひとり 旅立つ父
おとうさん すぐじゃないけど
おかあさんも いつか後に続く
そのうち わたしも追いつくし
その時 話そ よしなしごとを
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