
#私の推しキャラ デビルマン
ハレンチ 学園 書いてた 人とは
思えぬ 深さの 善悪 の議論
ほとんど 悪魔の 哲学 入門
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裏切り者の名を受けて
すべてを捨てて戦う男
この歌詞、このメロディ。何度、口にしたか、耳にしたか、頭に浮かんだか。デビルマンを知った年令からの年数を考慮すると、わたしの脳内再生回数は、日本一かも。
推しキャラはいくつかあるが、一人だけ選べと言われたら、やっぱり、これしかない。
デビルマンは、小学校のとき、アニメで知った。兄が見たがったので。土曜の8時半からで、8時だヨ!全員集合の後半が見られなかったが、それがどうしたというくらい、刺激的で、面白かった。
不動アキラの名前の由来など、その時は知らなかったし、天使と悪魔の対立も、後にマンガで読むまで、わからないまま見ていた。デビルマンのアニメを見ることで、知っていったり、興味をもったりしたこともある。堕ちた天使。預言。少しずつ、その背景になっているあれやこれやを知るたびに、深い物語になっていった。
コミカルなキャラクターも多彩だが、大人気の妖獣シレーヌをはじめ、子ども心に、どきどきするような姿態の登場人物。準主人公の飛鳥了も、デビルマンが思いを寄せる牧村美樹も、見た目がよかった。登場人物の性別にかかわらず、わたしはときめいていた。
でも、なにより、このヒーローに。
アニメの「デビルマン」で、わたしに一番印象深いのは、人形遣いズールの回だ。ズールの魔手から、愛する美樹を守った不動明が、助けたあと、洞窟で、ミキを模した人形に話しかける。本人が聞いているわけではないのに、明の語りかけは、慈愛に満ちている。
そのシーンを、小学生のわたしは、なんども頭の中で反芻した。明の愛する人を守りたい気持ち、知られなくても行動する、自己犠牲と心意気。甘い優しいことば。そのシーンを思うと陶酔気分になった。涙も自然と出た。
当時いちど、兄とデビルマンのことを話している時、そのシーンのことが頭をよぎり、涙が出た。兄は、わたしが真剣に涙を流しているのに、たじろいでいた。
恋ごころに近いものだったのかも。
誰かを想うことへのときめき。今で言うなら、推しへの萌え、だろうか。
少し大きくなって、この時のことを思う時、あれが、わたしの性のめざめなのか、と思ったりもした。
性のめざめと言えば、原作の永井豪さんは、テレビドラマでも人気をはくした「ハレンチ学園」はじめ多くの作品で、掲載される少年マンガ誌の読者の性への興味に、貢献してきた。
ドラマ化された「ハレンチ学園」で、すぐに浮かんでくるのは、児島美ゆきさん演じる、十兵衛という女の子が、フェンスを飛び越えたらパンツが脱げてしまう場面。たぶん、いっしょに見ていた兄や従兄にも、鮮烈な思い出なのではないかと思う。
エンディングテーマの歌詞が、デビルマンの世界を端的に表している。
だれも知らない 知られちゃいけない
デビルマンは 誰なのか
人に知られてはいけない存在のデビルマン。これは、どのスーパーヒーローにもあてはまる。
人の世に 愛がある
人の世に 夢がある
その美しいものを 守りたいだけ
ただ、このころの私は、まだスーパーマンやスパイダーマンも知らなかった。
その後、デビルマンを、原作のマンガの方で読むようになって、アニメの明るさや展開の違いに、びっくりした。違う作品だが、どちらにもひかれた。
そして、わたしのように、デビルマンに強くほれこむ人が多いと知った。
デビルマンをテーマにした、オマージュや2次創作と言われるものは、アマチュア、プロを問わず、多くある。
デビルマンは、文化の細胞のひとつになっている。わたしと同じように、脳内再生をしている人も、たくさんいるし、それだけでは足りなくて、別の何かとして創り出す人たちも。
デビルマン、ありがとう。デビルマンを同じように好きな人たちも。
デビルマンにやられた人たちが、影響を受けた作品をこれからも生み出してくれる。
そして、オープニングもエンディングも、わたしの脳内再生は、これからも数えきれないくらい続いていくのだろう。
今日もどこかでデビルマン
明日もどこかでデビルマン
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冒頭にあげたのは、以前に書いた3行短文(詩)です。この記事から。
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定型3行短文(詩)(4音4節3行) 提唱:zep0814 i理昭さん 企画:しめじさん