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フィードバックについてやり方がわからなかったので色々と調べてみた
こんにちは。コミューンという会社でDevHRとしてエンジニアの採用や組織作りの支援等をしている中島(@kazuki_nakajima)です。
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今回のテーマは『フィードバック』です。
私自身、チームリーダーとしてメンバーへのフィードバックを行う際に悩むことが多いです。そのため、フィードバックの方法についてさまざまな情報を調査し、それらを整理してみました。
※自ら調べた内容をもとに、社内向けにフィードバックガイドラインを作成し公開しました。今回は、その社内ガイドラインを記事として外部に向けて公開しています。
フィードバックに悩んでいる方の参考になれば幸いです。
※この記事は『コミューンプロダクト開発 Advent Calendar 2024』シリーズ3の16日目の記事です。
フィードバックとは何か
フィードバックとは、メンバーに対して重要な点を伝えることにとどまらず、メンバー自身が成長するために行動を起こすサポートをすることです。
メンバーのパフォーマンスや成果に関する情報を正確に伝えることで、現状を明確に把握し、次のステップに向けた方向性を示すことができます。また、メンバーが自分の業務や行動を振り返り、今後の行動計画を立てるための支援を行うことで、自発的な成長を促進します。
このように、フィードバックはメンバーの成長を助け、さらなる成果を上げるために不可欠なプロセスです。
フィードバックの価値
フィードバックの価値は多岐にわたり、以下のような効果があります。
目標達成への貢献
人材育成
モチベーションとエンゲージメントの向上
信頼関係の構築
心理的安全性の向上
フィードバックは、個人が現在の状況を客観的に把握し、必要な軌道修正を行うことで目標達成を促進する重要な手段です。また、フィードバックを通じて、個人は自分の強みや弱みを認識し、成長のために具体的な行動計画を立てることができます。特にポジティブなフィードバックは、個人の努力や成果を認めることによって自己肯定感を高め、モチベーションやエンゲージメントの向上にも繋がります。
さらに、フィードバックは上司と部下、あるいは同僚同士が互いの考えや状況を理解し合う機会を提供し、信頼関係を構築する役割を果たします。重要なのは、フィードバックが相手を尊重し感謝の気持ちを持って行われるべきであり、このようなアプローチによって、個人が安心して仕事に取り組めるようになり、心理的安全性が向上します。
フィードバックの具体的なやり方
フィードバックの事前準備
フィードバックは準備から始まります。効果的なフィードバックを行うためには、事前にしっかりと準備し、具体的な行動の改善を促すためにメンバーの行動を観察し、必要なデータを徹底的に収集することが重要です。フィードバックの成功は、この準備段階に大きく依存しています。収集するSBI情報(「状況(Situation)」「行動(Behavior)」「結果(Impact)」の3つの要素で構成される情報)は、できるだけ多くの情報源から集めることが求められます。複数の視点から行動を分析することで、フィードバックの確実性が高まり、より効果的な改善策を伝えることが可能になります。
フィードバックの際にはSBIを活用することで、客観的かつ具体的なフィードバックを行うことができます。例えば、プロジェクトの進行状況や営業実績の変化といった具体的な事例に基づいて、メンバーの行動改善点を明確に伝えることができ、フィードバックが実行可能で現実的なものとなります。
フィードバックを行う前には、どのように伝えるかを事前に計画し、ロジックを整理しておくことが非常に重要です。フィードバックの場で冷静かつ効果的に伝えるためには、事前に想定される質問や反論に対する答えをシミュレーションしておくことが役立ちます。この脳内予行演習を行うことで、面談中に必要な情報を迅速に提供し、効果的にフィードバックを行うことができます。
さらに、フィードバックは個別に時間を取って行うことが求められます。特にネガティブなフィードバックの場合、他の人がいない個室で行うことで、メンバーの自尊心を守りつつ、より効果的に伝えることができます。フィードバックを始めたら、相手としっかり向き合い、時間をかけて丁寧に行うことが大切です。中途半端なフィードバックは、メンバーの改善意欲を削ぐ恐れがあるため、注意が必要です。
フィードバック面談
フィードバック面談のオープニングでは、まずメンバーの「心理的安全」と「信頼感」を確保することが重要です。プライバシーが守られる場所でリラックスした雰囲気を作り、軽い雑談を交えることで緊張を和らげ、信頼関係を築きます。
フィードバック時には、相手の目を見て真剣に話すことが大切です。フィードバックの効果は「何を言うか」だけでなく、「誰が言うか」にも影響されます。相手に対するリスペクトと成長を願う姿勢が伝わることで、より効果的なフィードバックが可能になります。信頼関係は日々のやり取りを通じて築くものです。
フィードバックでは、面談の目的を明確に伝え、共に改善策を考える姿勢を示すことが重要です。事実を客観的に伝え、過度に褒めたり非難したりせず、正確に伝えることで相手が受け入れやすくなります。
フィードバック後、理解のギャップを埋めるために、対話を通じて相互の理解を深めることが求められます。メンバーが行動に問題があることを認識し、現状と目標とのギャップを意識できるように、具体的な例を示しながら丁寧に対話を重ねます。
また、メンバーに過去と現在を振り返らせ、未来に向けた行動計画を立てる支援を行います。自らの行動を言語化し、その原因を探ることで、学びと行動の変化を促します。沈黙を恐れず、メンバーに自分の言葉で語らせることが重要です。
面談の最後には、上司がメンバーに今後の期待を伝え、再発防止策についても話し合います。メンバー自身に再発予防策を考えてもらうことで、先を見越した行動を促し、トラブルの再発を防ぎます。このプロセスを通じて、メンバーが主体的に改善に取り組む姿勢を育てます。
面談後のフォローアップ
フィードバックは面談で完結せず、その後のフォローアップとモニタリングが極めて重要です。フィードバックを受けた直後に変化が見られることは少なく、持続的なサポートが求められます。定期的に進捗を確認し、改善策が実行に移されているかをチェックすることで、メンバーがフィードバックを行動に結びつけ、変化を促すことができます。
また、改善策が順調に進むとは限らないため、定期的に面談を設けて進捗を確認し、必要に応じてサポートを行うことが大切です。こうしたフォローアップを通じて、メンバーの成長を支援し、改善策の定着を促します。
フィードバックは単なる改善点の指摘ではなく、メンバーの成長をサポートするプロセスです。事後のフォローアップにおいては、メンバーの成長に寄り添い、継続的にサポートを行うことが、その成功に大きく貢献します。
フィードバックをする時に意識するポイント
迅速に行う
「鉄は熱いうちに打て」ということわざの通り、フィードバックが必要だと感じたら、できるだけ早く伝えることが重要です。問題が起きてから時間が経過すると、指摘の効果が薄れ、相手の心に響きにくくなります。また、トラブルの場合、時間が経つほど状況が悪化し、修復が難しくなる可能性が高くなります。そのため、問題が発生した際には迅速に対応し、早期にフィードバックを行うことが効果的です。
ネガティブフィードバックをする時
フィードバックを行う際には、まず相手を尊重し、その成長を支援する姿勢が大切です。責任の押し付けや否定的な評価は避け、前向きな結果を導くためにフィードバックを行うことが重要です。相手の行動を冷静に観察し、改善点を伝える際には、客観的な数字や事実を基にすることが求められます。感情的にならず、共感を持って伝えることで、相手が自分の行動の問題点を理解しやすくなります。言葉遣いにも注意し、相手に寄り添った表現を選ぶことが、フィードバックの効果を高めます。
また、フィードバック後の反応を観察し、対話を深めることが大切です。相手がどう感じているかを理解し、必要に応じてフォローアップを行い、さらなる改善につなげます。フィードバックを伝える際には、ポジティブなフィードバックも交えて、バランスを取ることが効果的です。これにより、相手が改善点に対して前向きに取り組む意欲を高めることができます。
フィードバックの内容は記録しておくことが望ましいです。記録を残すことで、後から振り返ることができ、改善状況を確認する手助けになります。フィードバックが難しい場合でも、メンバーの成長を促すことを最優先に考え、配置転換や降格、退職など、他のアプローチを検討しながらサポートを行うことが大切です。
ポジティブフィードバックをする時
ポジティブフィードバックは、相手の行動や言動から評価できるポジティブな点を見つけ出し、具体的な行動や結果に結びつけて前向きな言葉で伝える手法です。フィードバックを行う際には、相手の努力や貢献をしっかり認めることが大切です。曖昧な表現を避け、客観的なデータや事実に基づいてフィードバックを早急に伝えることが求められます。過度に褒めることなく、業務や本人に関連する内容に焦点を当て、将来の成長を期待する言葉でフィードバックを行うことで、相手は次のステップに向けたモチベーションを高めることができます。
ポジティブフィードバックには、結果承認、行為承認、存在承認、可能性承認の4つの種類があります。
結果承認
具体的な成果や結果に対して評価を行うものです。例えば、プロジェクトや業務において目に見える成果が出たときに、その貢献を認めることで、相手が達成感を感じ、次への意欲を高めることができます。
行為承認
結果が出ているかどうかに関わらず、相手の行為に対して評価を行うものです。努力や改善プロセスを認めることで、相手の行動が正しい方向に向かっていることを実感させ、さらなる努力を促します。
存在承認
相手の存在そのものを尊重し、感謝の気持ちを伝えるものです。特定の成果や行動に関係なく、相手がチームや組織において重要な存在であることを示すことで、相手は自分が大切にされていると感じ、安心感や自信を得ることができます。
可能性承認
将来の成長を期待しながら、相手の能力を肯定的に評価するものです。改善点を示しつつ、相手の能力や成長の可能性を信じて励ますことで、次に進む力を与え、未来の成長に向けて前向きな気持ちを引き出すことができます。
フィードバックを受ける側のスタンス
フィードバックを受ける際には、オープンマインドでいることが重要です。たとえネガティブな内容であっても、それを自己成長のチャンスとして受け止めることができれば、成長に繋がります。
また、防衛的にならず、自己弁護や言い訳を避けることが大切です。フィードバックを受ける時は、まず相手の意見をしっかりと聞き、理解することに努めましょう。相手の話を遮らず、要点を確認しながら聞くことが、フィードバックを効果的に受け取るために欠かせません。
もしフィードバックが曖昧だったり、具体性に欠ける場合には、質問をして詳しい説明を求めることが有効です。これにより、どのように改善すべきかが明確になり、次に進むための具体的なアクションが見えてきます。
また、フィードバックをくれる相手には感謝の意を示すことも大切です。自分の成長を願ってフィードバックをくれていることを認識し、感謝の気持ちを伝えることで、今後も建設的なフィードバックを受けやすくなります。
最後に、受けたフィードバックをもとに具体的なアクションプランを立てることが、成長に繋がります。フィードバックをただ聞くだけでなく、どのように改善していくかを計画し、実行に移すことが重要です。これによって、フィードバックが実際の成長へと結びつきます。
最後に
私は過去に所属していた会社で、「Feedback is a gift.」という言葉を教えてもらいました。
この言葉は、フィードバックが単なる評価や指摘ではなく、成長や改善のために必要な貴重な情報であるという意味を持っています。フィードバックは自分の強みや改善点を知る貴重な機会であり、他者からの意見やアドバイスは、自分をより良くするための「贈り物」として捉えることができるのです。
しかし、フィードバックを受ける際は、ネガティブな感情を抱いてしまうことがあるかもしれません。これは、受け手の解釈の仕方だけでなく、伝える側の伝え方が適切でないことも一因と考えられます。
私自身も、フィードバックを上手に行うことにはまだまだ課題があります。「フィードバックが苦手…」という方がいれば、一緒に学びましょう!お気軽にご連絡ください。
それでは、今日はこの辺で。
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参考にした本や記事
記事を作成する際に参考にした本や記事を以下に紹介します。