ひとり居酒屋10〜タマゴを煮込むか、ニワトリを描くか。SNSマーケティングが不味くする。
兵庫県庁の先行きは不安ですが、ここ数日のテレビ業界の方々はもっと不安でしょう。
さて、前回書いたマスとネットについてもう少し。
▫️評判に証拠なし
紙の時代から広告の世界に身を置いてきたが、今はすべからくデータの時代。どこまで効果があったか検証もなく、コピー1行に大先生へ高額ギャラを支払った(支払えた)時代は過ぎ去った。
全ては効果検証の上に成り立っていて、いくら部長がB案と言ってもA案の方が売れるなら予算はAに注がれる。「さすが部長、お目が高い!やっぱりBが評判みたいですよ」といったゴマスリは、翌週のアナリティクスレポートで覆される。評判のエビデンスは社食の噂話にも無い。
▫️ここ10年のコンペ
理念表明やSDGS関連は別として、通常の広告宣伝はABテスト型が主流となったと感じる。(昔は多数決さえない、所謂ビューティーコンテストに近かった)
Aはアクセスは多かったが販売に繋がらなかった/Bはアクセスの割に購買が多く、継続した等。その結果をもって、広告比重を変更したり、Cを検討するといった具合。
個別案件でなく、包括的なコンサル的なマーケティング提案では、よりこの傾向は強くなるだろう。
▫️あなたが売れば良い
特にネット販売、ネット宣伝において、コンサル(中小企業診断士を含め)は、あの手この手でそれらしい話をするわけだが、それによって売上アップとなるかは怪しい。
客側からの極めつけの一言は「では良い条件で卸すので、あなた方で売れば良い」だ。
これは何とも胸の痛い、、、ごめんなさい。ネットで売るなら他の商品を売ります、、、
▫️老舗のネット店とネット屋の店
老舗の二代目三代目がネット通販に乗り出して上手くいかない話をよく聞く。引き合いもある。しかし、餅は餅屋なのだ。
いくらコンサルを入れようが、成功確率は低い。成功しているネットショップは、IT出身の派生ビジネスの方が確率は高い。
かといって前述の「あなたが売れば良い」にそのまま乗るかというと、そうではない。
IT出身であれば、売り方/システム/運用というベースが先にあり「では、何を売ろうか」と思考できる。「箱」ありきで、リサーチの上で「誰に何が売れるのか」が後。つまり、「何を売るかが決まってる」ほど、老舗であるほど、それが足枷になる可能性が高いということ。
▫️まずタマゴを煮て欲しい
夢のない話をしたが、個人的には老舗に頑張って欲しい。
SNS映えするパンケーキ、敢えて昭和に似せたエモいクリームソーダ。それらの写真/ワードもSNS消費され、もう古臭く感じる。古臭くなったら映えるメニューを考える。あれ?写真ありきの料理?音の悪いクールなイヤフォン?リコールが多いスタイリッシュな車?
看板のニワトリイラストに苦心するのではなく、まずは出汁がしみたタマゴを美味しく煮るところに立ち戻って欲しい。
▫️選挙/マスとネットの話でした
敢えて選挙に話を戻せば、立花氏はネット屋だ。それも炎上系暴露系の元祖。都知事選でのつばさの党事件での黒川氏も元々はNHK党だし、そもそも立花氏の模倣だ。法律ギリギリで「火種」を作る。
老舗(既成勢力)が20年遅れでアタフタするSNS対応と、ネット屋が目をつけた政治マーケット。勝負は明らか。