自作PCでWi-FiとBluetoothの高速通信環境を実現する
自作PCの魅力は、自分の好みや用途に合わせてパーツを選べることですよね。しかし、ネットワークや周辺機器との接続には、有線LANやUSBケーブルなどを使わなければならず、配線がごちゃごちゃしてしまったり、ポートが足りなくなったりすることもあります。
そこで今回は、自作PCでWi-FiとBluetooth環境をスマートに実現する方法を紹介します。その方法とは、M.2インターフェースを使うことです。
1. M.2インターフェースとは?
M.2(エムドットツー)とは、コンピュータの内蔵拡張カードのフォームファクタと接続端子について定めた規格です 。M.2はmSATAの後継として開発されたもので、小さいサイズであることが特長です 。
M.2の端子にはPCI-ExpressとSATA3.0、USB3.0などの端子が含まれているため、通信機能やストレージなど様々な機能を追加することができます 。また、M.2カードは基板上の部品が両面に張り出してもよいため、容量や性能を高めることも可能です。
2. M.2インターフェースを使ってWi-FiとBluetooth環境を実現するメリット
M.2インターフェースを使ってWi-FiとBluetooth環境を実現するメリットは以下の通りです。
・費用はそれほど掛からない
M.2カードにWi-FiやBluetooth機能を持つものは多数販売されており、価格も安価です。例えばAmazon.co.jpでは3000円以下で購入できるものもあります(2023年3月18日時点)。
・高速通信が可能
M.2カードにWi-FiやBluetooth機能を持つものはPCI-Express接続を用いることが多く、高速なデータ転送が可能です。例えばIntel社製のAX200NGW M.2カードではWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応し最大2400Mbpsの通信速度が得られます(理論値)。
3. M.2カードの選び方
M.2カードを選ぶにあたって、Wi-Fiの規格とBluetoothのバージョンに注意する必要があります。
3.1 Wi-Fiの規格に注意しよう
現在主流の規格はWi-Fi 6で、高速で安定した通信が可能ですが、古い規格の機器との互換性に欠けるため注意が必要です。
また、Wi-Fi 6以前の規格の機器との接続が必要な場合は、2.4GHz帯の周波数を利用する規格も選択肢に入れる必要があります。
Wi-Fiの規格には、802.11a/b/g/n/ac/axなどがあり、それぞれの規格によって通信速度や周波数帯が異なります。自作PCの性能や周辺機器との接続を考慮し、適切なWi-Fiカードを選択することが重要です。
3.2 Bluetoothのバージョンに注意しよう
Bluetoothは、バージョンアップによって通信速度や範囲、セキュリティなどが改良されています。現在主流なバージョンは、Bluetooth 5.0およびBluetooth 5.1です。
ただし、Bluetoothのバージョンによっては、古いバージョンの機器との互換性がない場合があります。例えば、Bluetooth 5.0に対応したデバイスは、Bluetooth 4.2以前の機器とは通信できないことがあります。そのため、自分が使っている機器との互換性を確認して、最適なBluetoothのバージョンを選ぶ必要があります。
3.3 マザーボードのM.2スロットを確認しよう
M.2は最近のマザーボードにはだいたい搭載されています。ただし、1つはSSDに使うと思うので空きがあることを事前に確認しましょう。
ATXであれば2つあると思いますが、MicroATXは1つしかないことが多いので注意が必要です。
参考までに、私のPCのマザーボードはこちらです。
4. 必要なパーツ
今回使用するパーツは以下の通りです。
4.1 M.2 Wi-Fiカード
私が購入したカードはこちらです。
商品説明がわかりにくいですが、これ1つでWiFiとBluetoothが使えるようになります。
4.2 外部アンテナ
M.2カードだけでも通信は可能ですが、外部アンテナがないと使い物にならないぐらい遅く、不安定な通信になります。
外部アンテナを付けると劇的に速くなり、通信状態も安定します。
4.3 外部アンテナコネクタケーブル
M.2カードと外部アンテナを繋ぐためのケーブル。
アンテナに付属してるものと思いきやついてなかったので、後日購入しました。
5. 実際のインストール方法
それでは実際にM.2カードをインストールする手順を説明します。
パソコンの電源を切り、マザーボードにM.2カードを差し込むスロットを確認します。M.2カードを差し込む前に、スロットの位置や形状を確認し、M.2カードが正しく挿入されるか確認しましょう。
グラフィックボードや他のパーツが干渉してM.2スロットが隠れている場合、それらパーツをあらかじめ取り外しておきます。
バックパネルを外して外部アンテナと接続するためのアダプタを取り付けます。
M.2カードに外部アンテナコネクタケーブルを取り付けます。結構固いので力が要ります。
M.2カードを静電気に気を付けながらスロットに差し込みます。スロットに差し込む前に、M.2カードのネジ穴の位置を確認し、スロットに固定するためのネジを用意しておきましょう。
ネジでM.2カードをスロットに固定します。
外したパーツを元に位置に戻し、外部アンテナを接続したら完成です。
6. まとめ
以上が、自作PCでWi-FiとBluetoothの高速通信を実現する方法です。M.2インターフェースを使えば、安価で高速な通信環境が導入できます。是非、自作PCの改善に取り入れてみてください。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?