小麦の風味がストレートに出る、全粒粉で作る甘くない「ビスケット」
シンプルな焼き菓子こそ、全粒粉で作ると「よさ」が実感できます
先日焼いた砂糖を使わない甘くないビスケット、粉となたね油と塩とベーキングパウダーのみのシンプルな原材料です(写真↓)。
ビスケットと言うと、薄くて甘いクッキーをイメージしますが、そちらではなくて、ケンタッキーFCでおなじみのざっくりした、あのビスケットです。
アメリカ発祥の焼き物で、似たようなものとして、イギリス発祥のスコーンがありますが、スコーンは砂糖が入って甘いものを指します。
で、そのビスケットですが、余ったものをラップにくるんでジップロックのような袋に入れて冷凍してありました。
朝食に食べようと、夜のうちに冷凍庫から出しておいて朝、焼き網で温めて食べたのですが、香ばしくて小麦の風味のする素朴なおいしさに全粒粉の「よさ」を再確認しました。
この、甘くないざくざくした全粒粉の焼き菓子は、おそらく好き好きがすごく分かれると思います。
もそもそとして食べ辛いだけ、と思われる人もきっといるでしょう。白い小麦粉で育った私たちは、素朴な全粒粉の味わいに不慣れなのかもしれません。白いパンやふわふわのスポンジに慣れ親しんだ舌に、このぼそぼそ感は馴染みません。
それでもぼーっとした寝起きの頭で焼き網で温めただけのビスケットを何もつけずに口にしたとたん、少しおおげさですが味覚が目覚める感じがしたのです。
全粒粉は「からだにいい」と、理屈で自分の脳に思い込ませているのだろうか、と思ったりもするのですが、寝起きの無防備な脳においしいと感じさせることができるのであれば、これは生物としての本能が感じている事だから理屈抜きでからだになじむものなんだろうなと、今朝はしみじみと納得したのでした。
おいしさのひみつは「ふすま」部分の香ばしさと
小麦の胚乳部分のハーモニー
1粒の小麦のうち、15%は「ふすま」と言われる外皮部分。お米でいうと、糠にあたります。そして2%が貴重な小麦胚芽部分です。ここに小麦の栄養素が詰まっています。そして残りの85%は胚乳と呼ばれる部分で白い小麦粉はこの胚乳部分だけです。
全粒粉の味わいとは、こうした3種類の部位がミックスされて感じる香ばしさや胚乳部分の小麦のコクなどが混ざり合うおいしさでは、と思っています。
今回のレシピには小麦と同量のさつまいものマッシュを加えました。さつまいもの「甘さ」がほんのりと加わることで素朴な味わいになりました。焼き立てはさつまいもの風味を感じる事ができますし、冷凍しておいて後日食べる時はトースターやオーブン、焼き網などで温めていただくとおいしさが戻ります。また、好みでレーズンを少し加えると甘さも加わります。
材料
小麦全粒粉 150g
ベーキングパウダー 3g
さつまいも 150g
(加熱調理済み、皮を取り除きマッシュしたもの)
卵 1個
なたね油 20g
豆乳 だいたい30~50g
レーズン 20g
下準備
・さつまいもはまるごと180℃のオーブンで30分位、竹串がすっと通るまで加熱して2cm厚さにスライスし、皮を除いてマッシュする。
・オーブンは180℃にあたためる。
作り方
①マッシュしたさつまいもに卵を割り入れてよく混ぜる。
②なたね油を加え泡立て器にしっかりと混ぜる。
③豆乳を30g位加えてよく混ぜ、粉、ベーキングパウダー、塩をいっしょに振るい入れて、ゴムベラなどで切り混ぜる。
④生地の様子をみて豆乳を追加で加えます。
⑤打ち粉した台に生地を取り出して軽く丸め、カードで半分にカットして重ねます。同じことをもう一度繰り返してから打ち粉しながら直径15,6cmに押し広げます。厚みは2.5~3㎝位。放射状に8~10カットしてオーブンシートを敷いた天板に並べます。
⑥15分焼いて前後をローテーションさせ170℃に落として5~10分焼いて出来上がりです。
さつまいもやレーズンが全粒粉とよく合う素朴な味わいのスコーン、
ぜひ作ってみてください。
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