脱ギャンブル〜2日目〜
自分は正直に言ってかなり恵まれていると言える。
取り返しのつかないといっても過言でない失敗を幾度となく繰り返してきた。何度も自分ではどうにも出来ない窮地に陥っていた。そしてそのたびに、両親に救われていた。
そのたびに、両親に救われていたにも関わらず、ずっとギャンブルから抜け出すことが出来なかった。もう2度しないと何度も決意をした。
しかしいつでもやめれる、という思考からギャンブルに走った。
そしてそのたびに、依存へと陥った。ともすればより深くひどい依存的行動をするようになったと言える。だめだとわかっていてもやってしまっている内に勝ちと負け、あたりとはずれの渦に飲まれてだめだと思っていたことすら忘れてしまう。
そして、無一文になって後悔したときに初めてどうしようもない後悔の波が襲ってくる。その中で自己肯定感の喪失。しかしお金がなければ生活出来ないため、なんとかして工面しようとする。
借金をした。もっているものを売った。携帯を売った。先払いで買ったものを売った。
ありとあらゆる方法でお金を作り出そうとした。しかし、手元にあるお金でもし勝てたらどうだろうという思考がよぎる。そのなけなしの金をつかい、再度ギャンブルをする。
その状態から買ったときもあれば、負けたときもあった。どっちにしろ気持ちの浮き沈みが激しいことだ。その中ではもうギャンブルがだめだとおもっていたことすら完全に忘れている。
また、元通りだ。そんなことを2度も3度も繰り返して、人に嘘をついて、傷つけて、軽蔑されて、開き直って、そして人として破綻していった。
はりぼての社会性を身に着けて内心はなにを考えているのか。無だった。はりぼての自分とギャンブルにひた走る自分。ひどいことをしていることすら目を背けて自分の生きたいように生きた。
ギャンブル依存症とは、病気だ。誰が悪いといえばもちろん自分が一番悪い。そんなこと言うまでもない。病気だから仕方ない、ではない。ただ過度に自分を責めてもだめだ。
大事なのは治療をすること、そして辞め続けること。そして人の信頼を裏切らないこと。
自分が築いてこなかったものをまた築けるチャンスがあることに感謝したい。
おしまい
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